どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか? この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、『客単価アップ大事典』に収録しきれなかった事例の中から、現場ですぐに導入でき、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選してご紹介していきます。
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「安いほうから見た」はずなのに、結局アルバムも欲しくなる理由
七五三や成人式の写真撮影では、最初に「データのみ」「撮影基本料込み」など、比較的わかりやすい基本プランを案内されることがあります。
その時点では「これで十分」と思っていても、撮影後に実際の写真を見ながら、アルバムやフレームのサンプルに触れると、「せっかくだから形に残したい」と感じることがあります。
結果として、当初の予定より高いプランを選ぶケースもあります。
この「基本プランを先に見せる」という順番は、価格に敏感なお客様に安心してもらうためだけではありません。
最初に納得しやすい価格を基準点として作り、その後で感情が高まったタイミングに上位プランを検討してもらう、客単価アップにつながりやすい提案設計と考えられます。
「最初の価格」が安心の基準点になる
最初に比較的手頃な価格を見せることで、お客様は「この店は無理に高額プランを売りつけてこない」という安心感を持ちやすくなります。
この安心感があると、警戒心が下がり、撮影や写真選びに集中しやすくなります。
撮影後、実際の写真を見ながらアルバムのサンプルに触れる段階になると、最初に見た価格が判断の基準になります。
ゼロから高額プランを検討するのではなく、「すでに納得している基本プランに、差額を足すかどうか」という考え方になるため、追加提案への心理的な負担が軽くなります。
これは、最初に示された情報が判断の基準点になりやすい「アンカリング」に近い働きです。
「今しか残せない瞬間」が価値を高める
もう一つの理由は、七五三や成人式の写真が「その日、その時しか撮れない記録」だからです。
データだけでも写真は残せますが、実際にアルバムの紙質や装丁に触れ、ページをめくる体験をすると、「この瞬間を形として残したい」という気持ちが強くなります。
お子さんやご本人の、その日その時の表情は撮り直せません。その一回性が、「後で後悔したくない」という気持ちにつながり、価格への抵抗よりも「きちんと残しておきたい」という感情が上回ることがあります。
他のお店でも使える「基準点を先に作る」設計
・結婚式の写真・映像業者
基本プランを先に提示し、試写やサンプル確認の場で映像編集オプションやアルバムを提案する。
・出産・新生児フォトスタジオ
撮影込みの基本プランを先に案内し、仕上がり写真を見せた後にフレームやアルバムを提案する。
・卒業アルバム制作会社
標準仕様のアルバムを先に見せ、サンプルページの質感を体験してもらった後に、ハードカバーや特別装丁を提案する。
まとめ
写真館で基本プランを先に案内することがあるのは、価格に配慮しているからだけではありません。
・最初の価格を基準点にすることで、追加提案への心理的な負担を軽くする
・安心して撮影に進んでもらうことで、写真選びの段階で前向きに検討してもらいやすくする
・撮り直せない瞬間を形に残したいという感情を、アルバムやフレームの提案につなげる
という、最初の価格設定を後の高単価提案につなげるための、自然な販促設計なのです。
販促コンサルタント
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他の著書に、『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』
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