「仕事はできるのに、一緒にいるとなぜか疲れる」。職場に、そんな人はいないだろうか。判断は的確で、指摘していることも間違っていない。それなのに、その人と話すと萎縮したり、意見を言うのをためらったりしてしまう。問題は、何を言っているかではなく、その「正しさ」の使い方にあるのかもしれない。では、優秀なのに周囲を疲れさせてしまう人には、どんな特徴があるのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その理由を解説する。

「優秀だけど、一緒に働きたくない人」・ワースト1Photo: Adobe Stock

言っていることは正しい。でも、疲れる

仕事が速い。判断も的確。知識もある。はたから見れば、文句のつけようがない人材です。
でも、一緒に働いているとじわじわと消耗していく。そんな人が職場に一人はいませんか。

「それ、意味あります?」「普通はこうしますよね」「まだ終わってないんですか?」
――言っていること自体は間違っていない。だから反論もできない。
でも、言われた側は確実に傷ついています。

正しいからこそ、反論できない

間違ったことを言う人なら、周囲も「それは違う」と返せます。
でも、正論で押してくる人には言い返しにくい。その「言い返せない正しさ」が、じわじわと周囲を追い詰めていくんです。

会議で鋭い指摘をする。ミスを論理的に指摘する。どれも正しい。
でも、言われた側は「また詰められた」という感覚だけが残る。
次第に、その人の前では萎縮するようになり、意見を言わなくなっていきます。

優秀でも、自分の基準を相手に当てはめてしまう

こうなりやすい人には、共通した傾向があります。
自分にできることを、相手にも求めてしまうことです。

自分なら30分でできる。自分なら一度聞けばわかる。
だから、できない相手を見ると「なぜ?」と感じてしまう。その感覚自体は理解できます。

でも、全員が同じスピードで動けるわけではないし、同じように理解できるわけでもない。
その前提が抜け落ちると、正しさが武器ではなく圧力になっていきます。

「何を言うか」だけでなく「どう伝えるか」も能力

仕事では、内容の正しさと同じくらい、伝え方が重要です。
どんなに正確な指摘でも、相手が受け取れなければ意味がない。
むしろ、相手が動けなくなってしまったら逆効果です。

「どうすれば伝わるか」を考えることも、優秀さの一部です。
そこまで含めて初めて、チームで成果を出せる人材になれます。

一人で成果を出すなら、自分が正しければいい。
でも、チームで動くなら、周囲が動ける伝え方まで考える必要があります。

「正しい人」と「一緒に働きたい人」は、必ずしも同じではありません。