嫌なヤツとの関係を切るために必要な「たった1つのルール」佐藤優さん(2019年撮影) Photo:JIJI

人生後半となる50歳以降は、限られた時間と精神力を誰に使うかが、生活の満足度を大きく左右すると佐藤優は力説する。不要な人間関係を整理し、本当に大切な相手だけを残す考え方とは。※本稿は、佐藤 優『五十歳からの知的撤退戦』(宝島社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

「合わない人」とは
絶対に距離を取るべき

 人生後半において、私が最も重要だと考えている技術のひとつは、「人との関係を切る技術」です。これは冷酷さではありません。むしろ、生き延びるための必須条件です。

 現役時代、私は多くの人間と関係を持たざるを得ませんでした。上司、部下、政治家、記者。そこでは「好き嫌い」は許されず、関係維持そのものが仕事になります。しかし、この構造は定年とともに消滅します。それにもかかわらず、多くの人は同じ関係を維持し続けようとする。ここに問題があります。人生後半では、「関係を維持する理由」そのものが消えているのです。

 私は「反りの合わない人は絶対にオミットすべきだ」と考えます。この言葉は一見過激に思えるかもしれませんが、極めて合理的です。なぜなら、人生後半において最も貴重な資源は「時間」と「精神力」だからです。嫌な人と過ごす時間は、そのまま資源の損失になります。若い頃であれば、その損失は回収可能です。しかし後半では回収できません。したがって、関係は意識的に選別する必要があります。

 ここで重要なのは基準です。それは単純で構いません。「一度会って不快なら、二度目は会わない」。私はこの原則で人間関係を整理しています。このルールを徹底するだけで、人生は驚くほど軽くなります。