岸谷蘭丸さん Photo by Shogo Murakami
流行語に入らなかったけど……「外国人」問題は分けて考えたい――2025年の新語・流行語大賞や、今年の漢字は「熊」などが発表される中、「本当に注目すべき言葉」を20代のインフルエンサー目線から岸谷蘭丸さんに語ってもらった。(教育エディター 江口祐子)
「日本人ファースト」は
クライシスの人に刺さりやすい?
――岸谷さんが2025年を振り返って、強く感じたことは何ですか?
そうですね……今日の取材で、「働いて×5まいります」「残業キャンセル界隈」「オールドメディア」などについて所感を述べさせてもらいましたけど……。
2025年の本当の流行語って「政治」や「選挙」なんじゃないかと思うくらい、政治コンテンツがバズりましたよね。YouTubeやSNSで政治ネタが当たり前になったし、再生数が取れるから、動画もどんどん出る。“インフルエンサー政治家”も出てきた。政治家だけが政治を語るのではなく、もっと多くの人がいろんなことを語り始めました。
背景としては、まず世の中が不安定で、みんな不安になっている。それから、団塊ジュニア世代がアラフィフになって政治に関心が向かっていると思います。一般的に、50代で「アイデンティティー・クライシス」に陥るっていいますよね。
今のアラフィフは就職氷河期世代であり、ある意味で日本経済や社会に切り捨てられた存在というか、孤独を感じてきたと思うんです。それで、自分の頼れるアイデンティティーとは何かというと、仕事であり、子を持つ人なら親であることとか。もっと絞り込まれると「男である」「女である」。最後に残るのは「日本人である」みたいなことかなぁと。
「日本人ファースト」という言葉や考え方が、アイデンティティー・クライシスの人に刺さりやすいという意見を見聞きして、僕的にはなるほどなぁと思いました。
そして、一部の政治系インフルエンサーのおじさんたちについて思うのは、“政治で青春”してるのかなぁと。陰謀論っぽいコンテンツに傾倒する人もちょこちょこ見ますし、Xで政治家の悪口を言いまくるおじさんを目撃すると怖いです。
――では、25年を真に象徴する言葉やテーマは何だったと思いますか?







