オレ様な男性キャラは
2010年代でも健在
タイトルにオレ様が入っている八神千歳『オレ様キングダム』(『ちゃお』09年4月号~14年7月号)は、高校生で少女マンガ家の主人公と、彼女が憧れているイケメン3人組の学園ラブコメですが、彼女の方から憧れているのに逆ハーレム状態というのが願望充足的でした。
八田鮎子『オオカミ少女と黒王子』(『別冊マーガレット』11年7月号~16年6月号、以下「別マ」)は、彼氏がいないどころか恋愛経験すらない高校1年の篠原エリカが、友達と話を合わせているうちに、彼氏がいることになってしまい、取り繕うために街で見かけたイケメンの写メを撮って彼氏ということにしたところ、なんとそれが同じ学校の生徒で、その男子に話を合わせてもらうために……というところからはじまる恋愛物。
幸田もも子『センセイ君主』(『別マ』13年8月号~17年7月号)は告白7連敗中の少女が、イケメンだけれども横暴で毒舌の教師(でも時々やさしい)を好きになり……というところからはじまる物語です。
21世紀になっても、やはり先生を好きになる話というのもけっこうあり、コンプライアンス的にどうなのかとは思いますが、まあ創作物にコンプラを求めてつまらなくするのは愚の骨頂なので、表現にはなるべく寛容であってほしいとも思います。
『恋愛少女マンガ全史――ラブコメと若者文化の変遷を探る』(長山靖生、筑摩書房)
佐野愛莉『オレ嫁。~オレの嫁になれ~』(『Sho-Comi』14年2、3月号?17年7月号)は逆に年下富豪の御曹司から強引に求愛される物語で、そういえば近年は年下男子物(ショタコン?)もけっこう増えている印象があります。
容姿的には好みのイケメンで、口が悪かったりちょっと意地悪だったり強引すぎるのは気になるけれども、その分しっかりリードしてくれて、経済的な裏付けはバッチリというのは、やはりまだ日本が儒教文化圏にあることの証左ともいえそうです。
半ば形骸化しつつも残存している儒教的家意識から解放され、欧米流の階層意識にもポリコレにも従属しない、本当に少女・少年双方が自由で、幸福になれる恋愛とはどんなものなのでしょうか。
それはあるいは、少女マンガ・少年マンガという性差による分別を無効化するような作品なのかもしれません。







