平成初期の文化が今の若者に親しまれるようになり、「Y2K(Year 2000)」ブームと呼ばれています。令和はもはや、どんなコンテンツが再ヒットしても不思議ではない時代です。Z世代を対象にした最新の調査では、2000年代に大ヒットした少女漫画「NANA」、懐かしの「VHSビデオ」、歌手・槇原敬之さんの代表曲「もう恋なんてしない」のリミックス版など、数年前には予想だにしなかったものが若者に注目されていることが分かりました。その詳細を徹底リポートします。(芝浦工業大学教授 原田曜平)
※本記事は前後編の後編です。韓国発「偽たまごっち」の意外な流行について解説した前編はこちらから
伝説の少女漫画「NANA」が
中国コスメとコラボ!
Z世代の研究を行っている、芝浦工業大学教授の原田曜平です。今回は、若者の間で巻き起こっている「Y2K」ブームの最新事情をお伝えします(本記事は前後編の後編)。
ご存じの方も多いと思いますが、Y2Kとは「Year 2000」の短縮形。当時(2000年前後)流行したファッションやコンテンツが、現代の日本や欧米の若者から再脚光を浴びているのです。
そして最近、日本のY2Kブームに「ちょっとした異変」が起こり始めました。中国・韓国の企業やブランドなどが、この潮流にビジネスチャンスを見いだすようになったのです。
各社は縁もゆかりもないはずなのに「平成レトロ風」商品を日本向けに展開したり、日本発のキャラクターとコラボして若者向け商品を開発したりと、日本市場と積極的に関わるようになりました。
詳しくは前編記事で解説していますが、韓国のブランドが往年の「たまごっち」にそっくりなデバイスを日本で売り出すなど、数年前には予測できなかった動きも起きています。
>>前編『韓国発「偽たまごっち」にZ世代がどハマり! なぜ本家本元バンダイの復活版じゃない?』を読む
本稿では、そうした「海外企業が関わった平成レトロ商品」のうち、筆者が特に興味を引かれたものをもう一つ紹介しましょう。
それは、中国のコスメブランド「PASSIONAL LOVER」と、2000年代に日本で大ヒットした少女漫画「NANA」のコラボ化粧品です。この秋に発売されたのですが、「ここでNANAが来るか!」と、意外なチョイスに筆者は少々驚きました。