「人の話を最後まで聞きなさい」――そう子どもに伝えている親は多い。しかし、子どもは言葉だけでなく、大人のふるまいも見て育つ。親が話を途中で遮れば、子どももそれが当たり前だと学んでしまうことがある。では、人の話を最後まで聞ける子は、どのように育っていくのだろうか。話題の書『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「人の話を聞けない子ども」の親がやりがちなこと・ワースト1Photo: Adobe Stock

人の話に口を挟んでしまう

「うちの子、人が話している途中ですぐに口を挟んでしまうんです」
小学1年生のお子さんを育てるお母さんから、こんな話を聞いた。

ある日、学校から帰ってきた息子さんが、友達と休み時間に遊んだことを話し始めたという。
しかし、ちょうど夕食の準備をしていたお母さんは、話を聞きながらも、明日の持ち物が気になっていた。

「それでね、○○くんが――」「そういえば、明日の時間割はそろえた?」「まだ。でも、○○くんがね――」「先に宿題を終わらせたほうがいいんじゃない?」

息子さんが何かを話そうとするたび、お母さんは思いついたことを口にした。
忙しい時間だったこともあり、話を最後まで聞く余裕がなかったそうだ。

もちろん、お母さんに悪気はない。忘れ物をしないように、やるべきことを伝えただけである。

ところが後日、学校の先生から、こんな話をされた。

「授業中、お友達が発表している途中で、自分の考えを話し始めてしまうことがあります」

お母さんが息子さんに、「人が話しているときは、最後まで聞こうね」と注意すると、息子さんは少し不満そうに答えた。

「だって、言いたいことを忘れちゃうもん」

その言葉を聞いて、お母さんは初めて、自分も同じようなことをしていたと気づいたという。

子どもが学校であったことを話している途中で、宿題や翌日の準備について口を挟む。子どもの話が終わる前に、「つまり、こういうことでしょ」と結論を先回りする。

子どもに「最後まで聞きなさい」と言いながら、親自身が子どもの話を最後まで聞いていないことは、意外と多い。

人の話を聞けない子どもの親がやりがちなこと。それは、子どもの話を途中で遮ってしまうことである。
話を聞く力は、注意されるだけで身につくものではない。

自分の話を最後まで聞いてもらい、「話を聞いてもらえるとうれしい」と感じる。
その経験を重ねることで、子どもは少しずつ、相手の話にも耳を傾けられるようになっていく。

人の話をよく聞けるようになろう

小学校入学前後に身につけておきたい93のおやくそくを収録した『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「ひとの はなしを よく きこう」という項目がある。

「人の話を聞けない子ども」の親がやりがちなこと・ワースト1『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
拡大画像表示

・はなす ひとの めを みよう。
・あいての はなしを きくときは うなずいて あげよう。
・はなしを きいたら へんじを しよう。
・あいてが どんな きもちか そうぞうしながら きこう。

(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)

人の話を聞くとは、ただ黙っていればよいということではない。
相手の目を見たり、うなずいたり、返事をしたりすることで、「あなたの話を聞いているよ」と伝えることも大切である。

さらに、相手がどんな気持ちで話しているのかを想像できるようになると、自分の言いたいことだけを一方的に話すのではなく、相手の言葉を大切に受け止められるようになる。

子どもにそうした聞き方を身につけてほしいなら、まずは親が、子どもの話を大切に聞く姿を見せることが必要だ。

忙しいときに、すべての話をじっくり聞く必要はない。「今は手が離せないから、あとで聞かせて」と伝え、時間ができたときにきちんと耳を傾ければよい。

親が自分の話を大切に聞いてくれた経験が、相手の話にも目と耳を向け、その気持ちまで想像しようとする姿勢につながっていくのである。

(本稿は、『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)