「人の話を最後まで聞きなさい」――そう子どもに伝えている親は多い。しかし、子どもは言葉だけでなく、大人のふるまいも見て育つ。親が話を途中で遮れば、子どももそれが当たり前だと学んでしまうことがある。では、人の話を最後まで聞ける子は、どのように育っていくのだろうか。話題の書『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』から、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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人の話に口を挟んでしまう
「うちの子、人が話している途中ですぐに口を挟んでしまうんです」
小学1年生のお子さんを育てるお母さんから、こんな話を聞いた。
ある日、学校から帰ってきた息子さんが、友達と休み時間に遊んだことを話し始めたという。
しかし、ちょうど夕食の準備をしていたお母さんは、話を聞きながらも、明日の持ち物が気になっていた。
「それでね、○○くんが――」「そういえば、明日の時間割はそろえた?」「まだ。でも、○○くんがね――」「先に宿題を終わらせたほうがいいんじゃない?」
息子さんが何かを話そうとするたび、お母さんは思いついたことを口にした。
忙しい時間だったこともあり、話を最後まで聞く余裕がなかったそうだ。
もちろん、お母さんに悪気はない。忘れ物をしないように、やるべきことを伝えただけである。
ところが後日、学校の先生から、こんな話をされた。
「授業中、お友達が発表している途中で、自分の考えを話し始めてしまうことがあります」
お母さんが息子さんに、「人が話しているときは、最後まで聞こうね」と注意すると、息子さんは少し不満そうに答えた。
「だって、言いたいことを忘れちゃうもん」
その言葉を聞いて、お母さんは初めて、自分も同じようなことをしていたと気づいたという。
子どもが学校であったことを話している途中で、宿題や翌日の準備について口を挟む。子どもの話が終わる前に、「つまり、こういうことでしょ」と結論を先回りする。
子どもに「最後まで聞きなさい」と言いながら、親自身が子どもの話を最後まで聞いていないことは、意外と多い。
人の話を聞けない子どもの親がやりがちなこと。それは、子どもの話を途中で遮ってしまうことである。
話を聞く力は、注意されるだけで身につくものではない。
自分の話を最後まで聞いてもらい、「話を聞いてもらえるとうれしい」と感じる。
その経験を重ねることで、子どもは少しずつ、相手の話にも耳を傾けられるようになっていく。
人の話をよく聞けるようになろう
小学校入学前後に身につけておきたい93のおやくそくを収録した『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「ひとの はなしを よく きこう」という項目がある。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
・はなす ひとの めを みよう。
・あいての はなしを きくときは うなずいて あげよう。
・はなしを きいたら へんじを しよう。
・あいてが どんな きもちか そうぞうしながら きこう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)
人の話を聞くとは、ただ黙っていればよいということではない。
相手の目を見たり、うなずいたり、返事をしたりすることで、「あなたの話を聞いているよ」と伝えることも大切である。
さらに、相手がどんな気持ちで話しているのかを想像できるようになると、自分の言いたいことだけを一方的に話すのではなく、相手の言葉を大切に受け止められるようになる。
子どもにそうした聞き方を身につけてほしいなら、まずは親が、子どもの話を大切に聞く姿を見せることが必要だ。
忙しいときに、すべての話をじっくり聞く必要はない。「今は手が離せないから、あとで聞かせて」と伝え、時間ができたときにきちんと耳を傾ければよい。
親が自分の話を大切に聞いてくれた経験が、相手の話にも目と耳を向け、その気持ちまで想像しようとする姿勢につながっていくのである。
(本稿は、『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)








