「精神年齢が2歳くらい低くなった」
小学校の先生が感じる子どもたちの異変

 保育園、幼稚園の頃に、〈ことばの力〉の基礎を作れなかった子たちは、小学校以降になると苦しむことになります。小学校では、園ほど先生や親に助けてもらえず、人間関係も複雑になるためです。

 本書を読んで感想を寄せてくれた小学校の先生はこんなふうに話していました。

「20年くらい前と比べて、今、小学校に上がってくる子たちは、精神年齢が2歳くらい低くなっています。言葉で気持ちを伝えたり、人に何かを伝えたりすることができないのです。

 こういう子たちは些細なことで『死ね』『消えろ』などと暴言を吐いて人を傷つけたり、自分の気持ちや感情を表現できずに人間関係が築けなかったりします。それで不登校になっても、なんで学校に行けないのかが自分でもわからず、どうしていいか解決策も見つからない。

 今、学校で起きているいじめ、校内暴力、不登校といった問題の根底には、まさにタイトル通りに『「ことばで伝える」ができない子どもたち』の問題があるのです」

「ことばの力」を伸ばすために
大人たちができること

 では、逆にどういう子が〈ことばの力〉を獲得し、生きやすい状況を作れるのでしょうか。

 本書では、具体的な方法を多数紹介しました。幼少期であれば、周りの大人が子どもが言葉を身につけるためのポイントを正しく押さえた上で、子どもに思考を促すための「問いかけ型の会話」をする、やばい、えぐい、きしょいといった「極端なイ形容詞の使用の制限」をする、ゲームや動画視聴を個人でするのではなく、家族みんなで一つの画面で共有することでコミュニケーションを促すといったことです。

 生活空間も影響します。たとえば、読書は子どもの言葉の力を大きく伸ばしますが、読書習慣のある子は、「親が絵本作家の名前をたくさん言える」とか、「家に多くの蔵書がある」といったことが明らかになっています。