これは、子どもが読書習慣を身につけるには、親自身が自ら本を読む姿を見せたり、そこから得た情報や教養を細かな言葉で語り合う光景を日常のものにしたりするのが重要ということを示しているのです。
本書には他にもたくさんの<ことばの力>をつけるための方法が記載されていますので、関心のある方は参考にしてください。
AIが社会に普及するほど
「ことばの力」が重要になる理由
なぜ今の時代、子どもに〈ことばの力〉をつけさせることが大切なのでしょう。それは、今の子どもたちが大人になる頃には、今以上にその力が必要になるからです。
たとえば、20年後の未来の社会は、今よりはるかに価値観は多様化し、グローバル化し、コンプライアンスは厳しくなり、多くの情報があふれ返っているはずです。
そうした解像度の高い複雑な社会の中では、より細かな言葉で物事を感じ、考え、伝えていくことが求められます。
「やばい」「えぐい」「きしょい」といった粗い言葉では、考えるべきことも考えられませんし、伝えるべきことも伝えられません。それはゆくゆく本人たちの弱点や生きづらさになってしまうのです。
『「ことばで伝える」ができない子どもたち』(日本実業出版社)
ところが、AIがあらゆることをしてくれる社会の中では、子どもが自然に〈ことばの力〉を身につけていくことは困難です。周りの大人が何もしなければ、子どもはコミュニケーションが苦手になるどころか、思考することすら二の次になる可能性もあります。
だからこそ、どうすれば「ことばで伝える」ができる子たちを育てられるのかということに、大人がより意識的になり、その方法を学び、必要な環境を整えていくことが大切になってくるのです。
国語教育も含め、そうしたことを社会全体が考え直す時期にきているのではないでしょうか。
(作家 石井光太)







