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合計特殊出生率は2025年に1.14となり、10年連続で低下した。背景には、女性の働き方によって出生率が大きく異なるという構造がある。医療保険属性別の出生率推計からは、専業主婦や扶養内で働く「被扶養者」の出生率と割合の低下が、近年の少子化を押し下げている実態が浮かび上がる。共働き世帯への両立支援に加え、家庭で子育てする世帯への支援も検討すべき局面にある。(大和総研金融調査部主任研究員 是枝俊悟)
「女性の働き方」によって
出生率は大きく異なる
出生率の低下に歯止めがかからない。1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、2025年は1.14となり、10年連続で低下、戦後最低を更新した。
なぜ近年、出生率はこれほど急速に下がっているのか。回復に向けて、どんな政策が必要なのか。本稿では、大和総研による医療保険属性別の出生率推計を手がかりに、少子化対策の盲点を読み解く。
出生率低下の要因を探るには、どのような属性の世帯が子どもを持っているかをみる必要がある。だが、政府の「人口動態統計」には、都道府県別、年齢階級別、出生順位別の集計はあっても、「女性の働き方」別の統計はない。
そこで大和総研では、「出産育児一時金」の統計を使って医療保険属性ごとの出生率を推計している。日本では、出産時に自らが加入する制度から出産育児一時金を受け取る。この仕組みを使えば、自ら会社員・公務員として働く「被保険者」、専業主婦や扶養内で働く「被扶養者」、自営業世帯の「国民健康保険組合(国保組合)」など、女性の働き方に近い区分ごとの出生率を推計できる。
次ページでは、上記の推計値を基に出生率の低下を検証し、少子化対策のより望ましい在り方を論じる。







