寄り添いあう恋人たち写真はイメージです Photo:PIXTA

コンテンツがあふれている今の世の中で、どんなものが売れるのだろうか。NHK、フジテレビ、Amazonを渡り歩き、数々のドラマをヒットに導いてきた映像プロデューサーの早川敬之氏は、誰も手をつけたがらないところにこそチャンスがあるという。人々の記憶に残るコンテンツを生み出すには、何を基準に企画を見極めればいいのか。ドラマ作りの現場から、ヒットを「狙って生み出す」ための思考と仕組みに迫る。※本稿は、映像プロデューサーの早川敬之『届かせる技術 ヒットを「狙って生み出す」思考と仕組み』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

ヒットする企画は
どう見極めるのか

 大ヒットもあれば、コケてしまう作品もある。どちらも人間のアイデアから生まれたものです。

 企画、アイデアを思いつく。ワクワクする瞬間です。でも、結局、何をやるか判断する。ここが最も時間をかけなければいけないところですし、難しい。まさに、届かせる技術の根っこです。

 経験を積んでいくと、ヒットする企画になるかどうかは自分でもある程度、判断できるようになってくるんですが、判断が間違っていたら、作品がコケて、携わっている人たちは楽しくない。自分だってクビになる可能性がある。プロデューサーやディレクターというのは腕一本で世間を渡っていく渡世人みたいなもので、配信プラットフォームでは、企画を1本も通せずに会社を去って行ってしまうような人もいます。

 そんななか、私が企画を立てるにあたって重視していることは、ドラマ、映画を観ることによって「体験価値」を得られるかどうかです。