「テラスハウス ボーイズ&ガールズ イン・ザ・シティ」の出演者陣「テラスハウス ボーイズ&ガールズ イン・ザ・シティ」の出演陣 Photo:SANKEI

2010年代に配信されていた恋愛リアリティショー『テラスハウス』を覚えているだろうか。今でこそ大ヒット番組として知られているが、実は配信当初、視聴率も動画の再生数も伸び悩んでいた。そんな番組を救ったのが、Googleの若いアナリストによるデータ分析だった。当時フジテレビ側で番組の製作に携わっていた著者が、伸びる配信ドラマ作りの裏側を語る。※本稿は、映像プロデューサーの早川敬之『届かせる技術 ヒットを「狙って生み出す」思考と仕組み』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。

Googleの依頼から
始まった『テラスハウス』

 2012年秋、私はとあるプロジェクトに携わっていました。現在も超人気ジャンルとなっている恋愛リアリティ番組の日本でのさきがけと言うべき『テラスハウス』です。

 もともと、私が視聴者に対してダイレクトにアプローチすることの重要性を学んだのは、この『テラスハウス』の製作に携わったからでした。

 当初、『テラスハウス』が企画された発端は、Googleからの「YouTube向けに、再生回数を伸ばすドラマを作ってくれませんか」という依頼でした。Googleは新しいメディアであるYouTubeをなんとか軌道に乗せたい。でも、自分たちにはドラマを作るノウハウがないので、フジテレビに依頼が来たわけです。その背景には、当時のYouTubeは違法動画ばかりで無法地帯、そこでしっかりとしたコンテンツを作り、見せたいという彼らの思いがありました。

 ただし、当時のフジテレビ社内では新興メディアであるYouTubeに対する反発もありました。「あそこは違法動画の巣窟だろう。そんなところにドラマを出してどうする。早川、責任取れるのか?」と言う人もいましたが、新しい取り組みになると判断する上司もいて、企画が進むことになりました。