計算写真はイメージです Photo:PIXTA

「原価」の計算方法を1つしか知らない企業は、大きなミスを侵しているかもしれません。トヨタ流原価マネジメントにおいては「原価は4つ」あります。原価の捉え方を間違えると算出データがずれ、さらに現場の誤った判断が重なると大きな損害を引き起こすリスクさえあります。本稿では、業務に応じて正しく使い分ける「4つの原価の捉え方」と、トヨタも実践する「絶対原価」の重要性を解説。さらに、原価マネジメントを全社で推進するために不可欠な「モチベーションを高める人材育成術」を明かします。※本稿は、堀切俊雄『利益を最大にする実践的手法 トヨタ流原価マネジメント』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。

原価の捉え方と計算方法

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 原価を捉える主な方法には4種類あります。業務の内容に応じて使い分けますが、この適用を間違えると適切な原価を捉えることができません。4種類の原価の考え方と算出方法を習得し、業務に必要な原価を適切に捉えることが大切です。本稿では原価の捉え方について解説します。

 原価の捉え方には次の4つがあります(表)。
主な原価の捉え方と留意点

主な原価の捉え方と留意点(筆者作成)

(1)生産量による原価の変動
 変動費と固定費に分類し、生産量による原価の変動を分析します。

(2)対象とする原価の範囲
 原価低減やVE(Value Engineering:価値工学)・VA(Value Analysis:価値分析)の検討時に、対象を限定して差額原価を計算する方法です。これに対し、全体の原価を算出する方法は絶対原価(フルコスト)になります。

(3)意思決定による原価の変動
 意思決定時に使われる原価の捉え方です。経済性検討ともいいます。注意点は(1)、(2)、(4)といった原価計算の方法とは全く違うところです。

(4)原価の基となる条件からの原価
 主な条件は①実績原価、②標準原価、③予想原価──の3つです。