日野自動車・三菱ふそうの「トヨタ離れ」がくっきり!統合会社を牛耳るダイムラーの思惑とは?2025年6月に統合の記者会見を行った、(左から)トヨタ自動車の佐藤恒治社長、日野自動車の小木曽聡社長、三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長、独ダイムラー・トラックのカリン・ラドストロムCEO。経営体制の発表などを経て、新会社はダイムラーが主導する構図が鮮明となった。 Photo:JIJI

日野自と三菱ふそう統合は
“トヨタ離れ”でダイムラー主導が鮮明に

 日野自動車は4日、2026年3月期上期(4〜9月)連結決算を発表するとともに、三菱ふそうトラック・バスとの経営統合後の日野自の新社長として、26年4月1日付で独ダイムラー・トラック出身のサティヤカーム・アーリャ氏(52)が就任することを発表した。また、三菱ふそうも同時に、4月1日付でダイムラー・トラック出身のフランツィスカ・クスマノ氏(36)が社長に就任する。

 日野自と三菱ふそうは26年4月に経営統合により新たに持ち株会社「アーチオン」を発足させ、新会社の完全子会社となる予定。事業会社として両社がぶら下がる体制となり、それぞれのブランドは残したまま活動を続ける。また、持ち株会社には日野自の親会社であるトヨタ自動車と三菱ふそうの親会社であるダイムラー・トラックが25%ずつ出資し、持ち株会社の上場を目指すとしている。

 今回発表に先立つ10月9日には、アーチオンの代表取締役CEO(最高経営責任者)にカール・デッぺン・三菱ふそう社長が、代表取締役CFO(最高財務責任者)にヘタル・ラリギ・三菱ふそう副社長CFOが就き、小木曽聡・日野自社長がナンバー3の取締役CTO(最高技術責任者)に就くことが発表されていた。今回、日野自と三菱ふそうの新社長の発表とともに、アーチオンの独立社外取締役4人も新たに発表され、全9人の取締役会の体制が明らかとなった。

 アーチオンの取締役には、トヨタからは現役の役員が入らず、トヨタ元専務でアイシン元社長の伊勢清貴氏が非常勤取締役に連ねただけとなる。