退職が決まると、有給休暇をまとめて消化する人は少なくない。有給を取得することは、もちろん労働者の正当な権利だ。一方で、引き継ぎが十分に行われないまま職場を離れ、残されたメンバーや取引先に大きな負担をかけてしまうケースもある。では、退職する部下に対して、リーダーは最後に何を伝えるべきなのだろうか。話題の書『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その考え方を解説する。
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有給取得と一緒に考えたいこと
退職前に有給休暇をまとめて消化する
――今や珍しくない光景です。
有給取得は労働者の権利です。
会社に認められているのは、繁忙期など業務に支障が出る場合に取得時期をずらしてもらう「時季変更権」のみです。
有給を取得すること自体は、法律で認められています。
問題は有給消化そのものではなく、引き継ぎがおろそかになるケースがあることです。
引き継ぎ不足が生む「見えないしわ寄せ」
しっかり引き継ぎをしてくれる人であれば、問題はありません。
でも中には、有給に入る前に引き継ぎをほとんどせず、「あとはよろしく」とばかりに職場を離れてしまうケースがあります。
そのしわ寄せは、残ったメンバーに静かに、しかし確実にのしかかります。
取引先から「担当者が変わったのに何も聞いていない」と叱られる。
上司から「なぜ引き継ぎができていないんだ」と注意を受ける。
後任の担当者が業務の細かい経緯を把握できず、作業が止まってしまう――こうした場面を見てきました。
こんなふうに声をかけてみてください
では、引き継ぎが心配な部下に対して、どう声をかければいいでしょうか。
責めるような言い方では、関係がこじれるだけです。
こんなふうに伝えてみてください。
「有給を取ること自体は問題ない。ただ、引き継ぎだけはしっかりしてほしい。これまで一緒に働いてきた仲間に迷惑がかかるし、お客さんや後任の人が困る場面も出てくる。あなたがいなくなった後のことを、一度想像してみてほしいんだ。最後まで責任を持って仕事を終えることも、社会人として大切な姿勢だからね。みんなが気持ちよく送り出せるように、そこだけは理解してもらいたい。」
退職後に誰が困るのかを具体的に伝え、最後まで責任を持って仕事を終えられるよう支えること。
それがリーダーに求められる関わり方です。








