りん、亡き父を想う

 村の入り口なのか、道の上に結界のように、飾りがぶら下がっている。

 少年・長太郎(渋谷そらじ)が助けを求めてくる。

 長太郎の母・アサ(美山加恋)が赤痢に罹っていた。

 長太郎の家の前では、役場の山辺(六角慎司)と警官・金子(金子岳憲)が家の中を確認したいと言っているが、父・太助(板橋駿谷)は頑なに拒む。それを村人たちが遠巻きに見ている。

 六角と金子は演劇界で活躍し、映像の世界でも信頼されている名優たち。例えるなら、フユ(猫背椿)とヨシ(明星真由美)の男性版のような存在だ。こういう俳優が出番は少ないがいてくれると安心できる。板橋駿谷もそうで、朝ドラ常連でもある。

 この村の様子には既視感がある。かつてりんが栃木で経験したことだ。コロリ患者が出ると、周囲はその家を忌み嫌う。

 りんと黒川が強引に家の中に入ると、アサが寝込んでいた。

 心配して母のもとに駆け寄ろうとする長太郎に、りんは「入っちゃだめ!」と厳しく言う。

 明らかに赤痢で、避病院に連れていくしかないのだが、太助は拒否する。赤痢患者を出した家というレッテルを張られたくないのだ。

 赤痢にかかると子どものほうが重症化すると聞いたアサは避病院に行くと申し出る。

 だが、外にいる村人たちは、「そいつら(医者たち)が毒まいてんだ。避病院なんか連れていくな」と騒いでいる。

 かつて、コロリに感染した父が、りんに感染させたくないから避病院に行こうとした。しかし、りんは止めた。避病院に行くと死ぬという噂があったので行かせたくなかったのだ。

 アサの夫と同じ側だった。いまのりんには村人の気持ちも、家族の気持ちも、アサの気持ちもわかるから、苦しそうだ。

 だがいまのりんは看護婦の経験を積み重ね、毅然とこう言えた。

「私にも娘がいます。それでもこの村に来たのは生きてほしいからです」

 こうしてアサは避病院に行くことになった。

「またここに戻って来られるように、お母さんも私たちも全力を尽くす」

 父にできなかったことを、長い時間を経て、いまこそ実現できるのか。

 看護とは何か、いよいよドラマの核心に踏み込んでいく。緊張感たっぷりの第19週の幕開けだ。

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