史実を知るほど納得…福沢諭吉『学問のすゝめ』が伝えた「学ぶ意味」〈風、薫る第88回〉『風、薫る』第88回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第88回(2026年7月29日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

いとーしげなお嫁さんになりたい

 りん(見上愛)がいきなり求婚される。それはこの回の最後。相手は……。

 順を追って見ていこう。最後に向けた布石が打たれている。

 手紙を読んでるりん。今日の手紙はシマケン(佐野晶哉)からだ。彼は「いとしげ」という古語を新潟ではお国言葉のように普段から「かわいい」や「美しい」といった意味で使うと聞いたが、合っていますか?と質問。一生懸命、話題づくりをしていて、かつそれが彼のりんへの気持ちを表しているところが、健気である。

“「いとおしい」は昔、「かわいそう」「気の毒」といった意味で使われていました。さらには「困る」、そして「大切に」。僕は相変わらず役に立たない言葉を知るのが好きな自分がいとおしいです。”

 結局、こんな自虐で落とすのもシマケンらしい。自虐だけど自己愛でもあるような。そのどちらもはらんでいる言葉。それを「いとしげ」と筆者は解釈した。

 りんは「いとしげ」という言葉を気にしたことがなかったようで、寮の生徒たちに聞いてみる。

 普段の会話ではあまり使わないが、例として挙がったのが「いとーしげなお嫁さんになりたい」。

 かわいいお嫁さんになりたいってことのようだ。でもまた、りんはそれ以上、「いとしげ」について深掘りしないで、「皆さん。何か夢はありますか?」と話題を変える。「いとおしげなお嫁さんになりてー」と無邪気な生徒たち。

「みんないいとこ嫁行くために女学校入ったんですけ」

 夢はお嫁さん。ここ新潟では、女性の人生のあがりは奥様双六の時代と変わっていないのであった。