【強みの3条件】

(1)人よりうまくできること
(2)やるほどに活力が湧くこと
(3)実際に成果につながっていること

 つまり強みとは、単に「得意なこと」ではありません。やればやるほど面白くなる。取り組むほどエネルギーが湧いてくる。そして実際に成果が出る。そうしたものこそが、本当の意味での強みなのです。

 だからこそ、強みを活かしている人は、仕事そのものにやりがいを感じます。成果が出るだけでなく、本人も楽しさを感じているのです。

自分の「強み」で
チームの価値を上げる

 たとえば、こんな人がいました。小さなミスを見つけることが、とても得意な女性です。

 資料をチェックしてもらうと、フォントの違い、文字の級数の違い、半角と全角の混在、さらには「ここは漢字より、ひらがなのほうが読みやすいと思います」といった細かい違和感まで見つけてくれるのです。

 私は正直に言って、こうした作業があまり得意ではありません。長時間続けることは苦痛になってしまいます。

 ところが、彼女にとっては違いました。そうした細かな違いを見つけること自体が楽しいというのです。これは、まさに強みです。

 そして、彼女は提案をしてくれたのです。「ミスを予防するチェックマニュアルをつくりましょうか?」と。私のような雑な人でも、そのマニュアルを活用すると、ショートカットキーでCtrl+Hを使ってヌケモレを予防するテクニックが示されており、私だけでなく、同僚たちも随分と助かったのです。

『診断で自分らしく働ける!あなたの役割の見抜き方』書影診断で自分らしく働ける!あなたの役割の見抜き方』(伊庭正康、朝日新聞出版)

 これを機に、彼女の強みはチームの価値になりました。

 アレックス・リンレイ氏は、パフォーマンスを高めるためには、「まだ使っていない強み」を使う機会を自分でつくることが重要だと説いています。

 誰かが機会を与えてくれるのではなく、自らつくることが大事なのです。

 そして、組織で重宝されるのは、名プレイヤーよりも、チーム全体の力を高める人です。自分の強みを活かして、チーム全体の底上げに寄与する人こそが、重宝される存在になれるのです。

 ぜひ、自分の強みを認識し、その強みをチームの底上げに活かす機会をイメージしてみてください。その瞬間、あなたの強みは個人の能力ではなく、組織の武器になります。