「バリバリ仕事をして疲弊する人」と「全く疲弊しない人」。その差は一体どこにあるのか?
2025年NYタイムズ年間ベスト10。山口周氏が「決して寝る前に読み始めないこと。 一度ページをめくってしまうと 止めるのは不可能です。」と絶賛する全米ベストセラー『極限の漂流118日間』をもとに、両者の違いについて、ライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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何度繰り返しても状況が変わらないとき
真冬のある夜、季節外れの激しい雨と風が続いていた。
朝6時ごろ、布団が冷たいことに気づいて飛び起きると、雨漏りが起きていた。
天井のスポットライトから、シャワーのように水が降り注いでいた。
ボウルや皿だけでは足りず、とにかく水を受けられそうなものを引っ張り出して並べた。
いっぱいになった器を流しへ運んでは、また元の場所へ戻す。何度繰り返しても、部屋に降る水は減らない。
外の雨はおさまり、明るくなり始めているのに、部屋の中だけは、いつまでも雨がやまなかった。
バリバリ働いても疲れない人の共通点とは?
「小説のような最高のノンフィクションだ。ページをめくる手が止まらない」とUSAトゥデイが評した『極限の漂流118日間』(ソフィー・エルムハースト著/村井章子訳)には、夜通し手漕ぎボートを漕いだあとの位置を六分儀で確かめるシーンがある。
たった六キロ! なんというみじめな成果だろう。(中略)
これまでの努力は無駄だった。もうやめなければならない、とモーリスは言った。
──『極限の漂流118日間』より
モーリスが漕ぐことを断念すると、マラリンはオールの間にセールバッグを縛り、即席の帆をつくった。
これまでと同じように体力を使い続けるのではなく、今あるもので別の進み方を試そうとしたのである。
人はうまくいかないとき、努力の総量を増やそうとする。
もっと長く続ける。もっと我慢する。
けれど、どれだけ頑張っても状況が変わらないなら、必要なのは努力を増やすことではない。やり方を変えることなのだ。まじめに頑張っても疲弊しない人の共通点はここにある。
自分の力だけで頑張っている人へ
まじめに頑張ればなんとかなると思うほど、手を動かすのをやめにくくなる。
けれど、自分の力だけでは変えられない状況もある。
そんなときまで力任せに進もうとすれば、残っている体力まで失ってしまう。
本書には、限られた道具や周囲にあるものを使いながら、生き延びる可能性をつないだ夫婦の懸命な姿が描かれている。何もかも自分で頑張って解決しようと疲弊している人にとって気づきが多いかもしれない。








