ADHD(注意欠如多動症)の当事者で、ASD(自閉スペクトラム症)とADHDの2人の娘さんをもつなちゅ。さん。新刊『ADHDの母が伝えたい 生きづらい女の子が覚えておきたいこと』では、子どもから大人まで一生使える具体的な対応策を伝えている。今回のテーマは、メンタルと眠気。「ただ怠けているだけ」で片づけてはいけない理由とは。本書から抜粋・編集して紹介する。(イラスト/武者小路晶子)

強烈な眠気は、キャパオーバーのサインかもしれない
急に脳に負荷がかかったとき、意識を失うようにストンと眠ってしまう。
誰かに強く責められたあと、倒れるように寝てしまう。
気力の枯渇は、ときに「抗えないほどの眠気」という形であらわれることがあります。これも「脳がキャパオーバーでシャットダウンしているサインかも?」と考えてみてほしいのです。
まわりからは「寝不足なんじゃないの?」「ただ怠けてるだけ」と見られがちだし、自分でも「怠惰なのかな」と落ち込んでしまう。
でも、そうとは限りません。
実は、日中に強い眠気が出る「ナルコレプシー」という睡眠障害は、ADHDと関連がある可能性が研究で指摘されています。
「こういうときに動けなくなる」法則を見つける
だからこそ、私は自分が起き上がれないとき、その前後に何があったかを「観察」してみています。何度か繰り返すうちに、「こういうときに動けなくなる」という法則が見えてくるからです。
ただ、こういう強烈な眠気は、年に1~2回しか来ないような、頻度の低いものだったりもします。回数が少ないと、記録も残りにくいし、「続いている」という自覚もない。だから法則に気づくのは、正直難しい。
私自身が気づいたのは、仕事で連日研修を受けて、数日にわたり眠り続けた日。「あれ……この感じ、去年もあったよな」という感覚を思い出したからでした。
頻度の低い不調こそ、そのときの体の感覚を「こうだったな」と覚えておく。あまりに強い眠気が起こるなら、それは医療機関に相談していいサインかもしれません。
なちゅ。
1980年生まれのワーキングマザー。発達障害(ADHD:注意欠如多動症)当事者。中学生と高校生の娘、そして夫も発達障害の特性を強く持つ。長女の発達障害診断をきっかけに、発達障害やそれに関連する分野の独学を開始。以来15年以上、自らの発達障害や子育てについてXを中心に情報発信を行う。仕事でも、障害福祉分野でマネジメント担当をしながら、個人事業主として講師業やスタートアップのサポートに従事。なかでも、自身の経験を活かした発達障害の親子のケアに力を入れている。
[医療監修]
本田秀夫(ほんだ・ひでお)
医師・信州大学医学部教授
1988年東京大学医学部卒。医学博士。専門は発達精神医学。信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 教授。信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部 部長。長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。









