
一足先に横沢が東京へ
アサの快気祝いに呼ばれたりんと直美と黒川。笹の葉に乗せたおすしとあんころ餅をいっぺんに出されて、面食らう。
「しょっぺいのも甘えのも」と言われても、良かれというのはわかっても、軽い拷問であろう。黒川の困った感じが伝わってくる。でもこういう善意のてんこ盛りは意外とあるあるだ。
そしてりんは退職届を出す。え。捨松と校長に相談するんじゃなかったのか。
校長は驚かず、ちょうどよかった、辞めてもらおうと思っていたと言う。変わったことをしているのに、新聞に載ったらみんなの見る目が変わったという。
「世間というやつはろくでもねえ。うんざりらて」「私は考えを変える気はねえです。おめさんのような生き方を女子生徒がうっかり夢見て転んだ日には目も当てられないですけ」とりんを批判するようなことを言ったあとに、「(りんのように)人と違う道を行く人を邪魔しねえで応援できる人になれと指導しますこて」と実に良いことを言う。
校長はあくまでこの村で生きていくための最善を尽くしているだけのようだ。あるいは、りんを見て、考え方を変えたか。
帝都医大病院の医師たちもそうで、最初はいけすかない感じの人があとから、そうでもなかったことになるパターンが多いのが『風、薫る』。
いい人・悪い人ではなく、社会の枠組みのなかで自分の役割を全うしていると、融通の利かない人になるというだけ。その枠組みから外れて、新しい価値観を提示しているりんを、みんな眩しく見るという構造である。
誰もが、自分の信じた道を進んでよくて、自分と違うからといって邪魔しない。お互い応援できることが住みやすい社会になる秘訣である。人は人、自分は自分。
横沢は赤痢におけるりんの尽力について新聞に書いた。すごいと言う学生たちに、「皆さんがくれた飴のおかげ」とりん。あの大量の水飴が喉によかったのだろう。
飴屋でりんは横沢に新聞のお礼を言う。
「何よりあの記事で伝染病への考え方が少し変わったのでは」。楽観的なりんに対して、横沢は意外や、人はそんな簡単には変わらないと冷静。もっと多くの人に記事を読んでもらうために東京の新聞社に移ることにしたと言う。
りんも1年後には東京に戻る予定。
「じゃあ少しの辛抱ですね。東京で待ってますから」
『風、薫る』の男性キャラはそろいもそろって、女性を待ち伏せがち。
東京にはシマケン(佐野晶哉)も虎太郎(小林虎之介)もいるのに、中村倫也に井上祐貴までいる。最終回まであと2カ月、エピソードがパツンパツンにならないだろうか。余計なお世話だが心配になってしまった。せめて中村倫也は待ち伏せキャラでありませんように。
りんは「初めて会う人たちと初めての道を進んでみたら元気がわいてきたみたい」と大きな水飴の瓶を抱えて、にっこり。
新潟の人々や水飴に、りんの心は癒やされた。








