それと同時に、作家ならではの、エキセントリックだったり、猟奇的だったり、過激な価値観もあわせ持っている。

 その常識と過激さから、うまく第三の視点を見出せた時、作品というのは成功することが多いように思います。

 何が言いたいかというと、人とうまく付き合いたいと思った時、目指すべきは、一般に想像されるような「コミュ力」のある人ではない、ということです。

流暢さよりも
大事なのは「間」

 僕はテレビに出ているくせに、滑舌が悪い上に早口です。

 たまに自分が出ているテレビを観ると、何を言っているかわからない時があるほどです。手だけはやたら動いてますけど。

 ですが、むしろ気をつけるべきは、滑舌よりも「間」ではないでしょうか。

 たとえば橋下徹さんは、注意を引きたいときに「あのね」という言葉を挟みます。

 それが「間」となって、人は橋下さんの発言に耳を傾けます。

 一気にわーっと話してしまうと、本人だけは満足度が高いかも知れませんが、他人は置いてきぼり、ということがよくあります。だからこそ、どこがその話の中で強調したいポイントなのかを明確にするためにも、「間」や、「あのね」といったリズムを作る言葉が必要なのでしょう。

「話し上手」より
「聞き上手」になろう

 コミュニケーションが苦手だという意識のある人は、まずは「話し上手」よりも「聞き上手」を目指したほうがいいと思います。

 売れるホストは、格好いいか、聞き上手か、のどちらかだと言います。人はお金を払ってでも、自分の話を誰かに聞いてほしいものなんです。

 恋愛に限らず、友情でも一緒。聞き上手の人は友達からも愛されていると思います。

 聞き上手になることは、そんなに難しくはありません。「間が持たない」という悩みも、聞き上手になれば一気に解決します。とにかく相手の話を聞きましょう。

 一番簡単なテクニックは、「相手の言葉の終わりの部分をオウム返しする」こと。頭を無にしてもできます。

 たとえば「今、AIで困っているんですよ」と言われたら「へえ、AIで困っているんですか」みたいに返す。これだけで最低限、会話は続いていきます。

話につまったら
すぐに話題を変える

 話につまったら、すぐに話題を変えましょう。

 実は会話をしているとき、あまり文脈って関係ないんです。

『コミュ力不要の社交術』書影『コミュ力不要の社交術』(古市憲寿、新潮社)

 僕たちはつい、「この話題がきたから次はこの話題かな」などと話の流れを考えちゃいますよね。でも文脈って、過剰に気にする必要がないんです。

 テレビのワイドショーでも、殺人事件の話のあとに、急に話題のスイーツとかの話が出てきますよね。それくらい、実は僕たちは、文脈が飛ぶことには慣れています。

 なので、「この話はもうやめたいな」と思ったら、無理してその話題を引っ張るよりも、躊躇せずに全く違う話題を投げ込むのがいい。「コーナーを変える」ようなイメージです。『朝まで生テレビ!』の田原総一朗さんが得意ですよね。

 あと、ポーズでいいなら、メモを取るというのも定番です。たとえ何一つ頭に入っていなかったとしても、目の前で熱心にメモを取られたら、それだけで相手は嫌な気分はしません。