最短ルートで目的地へ向かい、効率よく予定をこなす。そんな毎日を送っていると、思いがけない発見や新しい出会いは少しずつ減っていきます。だからこそ、時間に少し余裕がある夏休みは、あえて「寄り道」をしてみる絶好のチャンスです。予定どおりに進まない時間が、人生を変えるヒントを運んできてくれることがあります。「体」「時間」「環境」「思考」「心」「人間関係」をととのえるための具体的な習慣術を書いた『ととのえる。―超忙しくてもいつもご機嫌な人の習慣術―』(ダイヤモンド社刊)から、「寄り道」が人生にもたらす価値について書かれた一節を抜粋・編集して紹介します。
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小さな回り道が、大きな飛躍を生む
前回お伝えした「小さな非日常を混ぜる」ことが、人生に刺激を与えるスパイスだとしたら、ここでお伝えする「寄り道」は、心に余裕を生むための余白を作る作業です。
刺激を求めて頭を働かせるのではなく、あえて「効率」という名のレールから一歩降りて、頭の中を空っぽにする時間を持つのです。
仕事をしていると、僕たちはつい、最短ルートで結果を出すことばかりを考えてしまいます。会社と家を最速で往復し、予定されたタスクを淡々とこなす。その「正解」をなぞるだけの日々は、頭を硬直させ、新しい発想が入り込むスペースを奪っていきます。
だからこそ大切にしたいのが、あえて効率を手放す「寄り道」という技法です。これは単なる時間の無駄遣いではありません。パンパンに詰まったスケジュールの中に差し込むことで、創造的な自分を取り戻すことができるアクティブな活動なのです。
余白が生み出す「セレンディピティ」
予定調和から一歩外れた瞬間に、思いがけない幸運な発見、いわゆる「セレンディピティ」が起こります。
どこか遠くに行く必要はありません。
いつもと一本違う道を歩く。
一駅手前で降りて、知らない街の空気に触れる。
あるいは、オフィス内をいつもと違うルートで歩いてみる。
これらは「何かを達成するため」のアクションではありません。目的思考を一度捨て、ただ「余白」を設けて動くとき、頭の中はリラックスし、新しいアイデアや解決策を受け入れるスペースが生まれます。
最短ルートにこだわらず、あえて回り道を面白がれる好奇心こそが、経験値を豊かにし、人としての深みをもたらします。
日常の中に「寄り道」を取り入れられる人は、人生においても柔軟な選択肢を持てる人です。いつもの帰り道に、あえて数分間の余白を作ってみてください。「あんなに焦っていたのに、不思議と気分が軽くなった」という小さな気づきが、凝り固まった思考を解きほぐし、あなたの人生をより彩り豊かなものへと書き換えていくでしょう。







