そのきっかけとなった『青い壺』であるが、中の一編にがめついわが子に悩める夫婦の話がある。あまりのことにお金を遺したくないと嘆く妻に、
「全部使って死のうじゃないか。優秀な経営者だったオレに任せておけ」
というようなことを夫が言うシーンで終わる。いい話であるが、そんなにうまくいくはずがない、と私は思う。
人はいつまで生きるか誰もわからない。年寄りのタンス預金が何兆円もあってけしからん、と政府は言っているが気持ちはわかる。もし90まで生きて施設に入ったとしたら、毎月の利用料は払えるだろうか。
もしかしたら80になってから深刻な病気になり、それでも生きたいと高額医療に走るかもしれない。予想出来ないのがヒトの人生。だからお金は持っていなくてはならない。が、まだまだ活力ある70代、日々の楽しみのためにも使いたい。ここがむずかしいところである。
私は住むところを確保しておけばなんとかなると考えている。あとは年金プラス・サムシングであろうか。これはちょっとした仕事でも、株の配当でもいい。とにかく70のうちは現金を稼ぎ大切にする。少額でもいい。現役感を持つことが大切なのだ。
「もう働くのはいいかなー」という人がいてもいい。働きたければ一生懸命働く。
とにかく70代は、まだまだ選択が出来る時なのである。
子どもに財産を
遺そうと思ってはいけない
私はよくママ友に言う。
「子どもに教育をきちんと受けさせ、社会の一員にしてやったら、それで私たちは120点もらえるよ」
まわりを見渡すと、不登校や引きこもりのなんと多いことか。そんな中、なんとか子どもを大学まで出したのだ。上を見ればキリがない。社会人になったら、これで親の役目は終わりと思いたいものだ。結婚相手も自分で見つけてほしい。私は仲人おばさんとして実績があるが、自分の娘には何もしなかった。
いつか首尾よく結婚してくれたら、ちょっとその費用を出してやるくらいで援助はおしまいにしたい。体が動かなくなる前に、住んでいる家を処分し、どこか施設に入るつもりである。それははっきり言っている。







