子育ての正解に迷うことはありませんか? 精神科医の視点から「いい親の条件」を紐解きます。厳格だった父との思い出から見えてきたのは、言葉以上に子どもへ伝わる「ある姿勢」の大切さでした。反抗期に悩む方や、忙しさから子どもに申し訳なさを感じている方へ。子どもが本当に見つめているものは何なのか。子育ての肩の荷がスッと下りる、心温まるヒントをお届けします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
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いい親の条件とは?
精神科医が考える「子供への向き合い方」
今日は「いい親の条件」についてお話しします。私は親になった経験も、なる予定もありませんが、精神科医としての臨床経験と、自分が子供だった頃のことを思い出しながらお話しします。
私の実家では、父親と母親の教育方針が大きく異なっていました。父は当時、任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」が出始めて周りがどれほど盛り上がっていても、「ゲームは絶対に買わない」という方針でした。
ただ、誕生日とクリスマスだけは「好きなものを買っていい」と言ってくれて、昔よくあったお城のようなデザインのおもちゃ屋さんに連れて行ってもらい、けっこう高価なものを買ってもらった記憶があります。それでも、ゲームだけは決して買ってくれませんでした。
一方で、「本屋さんに行けば、好きなだけ本を買ってあげる」というルールがありました。ただし、父の「本チェック」を通過したものに限られます。普通の漫画はNGで、学習漫画ならOKという扱いでした。
読めないほど買っても仕方がないので、1~2冊買ってもらう程度でしたが、そのおかげで私は書店に行くのがとても好きになりました。小説などをたくさん読むようになり、「小説家になりたい」という夢が育ったのも、この教育のおかげです。
メリハリのある父と、教育熱心だった母
父は基本的には優しい人でした。しかし、「絶対にやってはいけないこと」という一線があり、そこを超えると急に怖くなる人でした。昭和の時代だったから許されたものの、今ならハラスメント扱いされかねないほどの怖さがありました。
普段は優しい分、そのメリハリがはっきりしており、「子供に何をしてほしいか、してほしくないか」が明確に伝わってきました。その一線をさえ超えなければ、親が求めている範囲内でいくらでも自由でいられる、という環境が徹底されていたのです。
対して母は、いわゆる「教育ママ」タイプでした。「このドリルを覚えないと部屋から出しませんよ」と、半ば軟禁されるようなスパルタな教育を受けて育ちました。



