男性を指さし厳しい表情で注意する女性会社員写真はイメージです Photo:PIXTA

メンター制度は、キャリアの少し先を行く人が対話を通じて社員の悩みや要望に寄り添う仕組みだ。ところが、「期待外れ」との声も少なくないという。コミュニケーションの場が失敗に終わる原因とは?※本稿は、起業家の池原真佐子『相手に寄り添いながら成長を後押しする「メンター」の教科書』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

メンタリングが
期待外れに終わる理由

 メンタリングは、メンターとメンティ双方にとって大きな学びの機会となるはずのものです。

 しかし、実際には「期待外れだった」「苦痛な時間だった」と感じてしまうケースも少なくありません。一方で、組織全体を変えるような大きな成果を生むケースもあります。

 失敗する組織と成功する組織、その違いはどこにあるのでしょうか。多くの企業への導入支援から見えてきた「よくある失敗の落とし穴」について解説します。

【失敗例1】制度運用が
尻すぼみで自然消滅する

 メンター制度の失敗事例として最も多いのが、導入後に運用が尻すぼみになり、いつの間にか形骸化してしまうケースです。

 たとえば、「年間5回は実施しましょう」と決めても、結局2回しか行われずに終わってしまう。「今月は忙しいから来月でいいか」とリスケジュールが続き、そのまま立ち消えになってしまう……。メンターとメンティの当事者間の熱量に依存して運用していると、企業規模を問わず、こうした自然消滅(フェードアウト)の道を辿りがちです。

 1年目は張り切っていた事務局も、2年目、3年目とだんだん手を抜くようになっていく……。時が経つにつれてメンター制度の運用が手薄になり、自然消滅していくパターンも、企業規模を問わずよくある話です。

 それでも、大手企業のほうが比較的定着しやすい傾向にあります。その違いは何かというと、明確なペイン(痛み)と、それに割くリソースがあるかどうかです。