
「好きなことをしてたらあっという間に時間がたつ。寂しいとき、つまんないときは、好きなことをするといい。気づいたら終わってる」
シマケンは環にいいことを言う。
ネガティブなことばかりに着目していると時間が途方もなく長い。だが、ポジティブなことを考えていると時間があっという間に過ぎていく。しんどいときは、できるだけ楽しいことに目を向ける。心がけたい。
そこに直美(上坂樹里)が来た。「宿題はやったの?」と水を差し、環の好きな時間が終了した。
「私はシマケンさんと一緒に生きていきたいです」
直美はシマケンにりんを忙しくしてごめんと詫びる。つまり、シマケンのほうがりんに会えず長い時間を過ごしてしまっているということだろう。
ドラマ上は、りんとシマケンが満足しているようなので、外野が何か言うことでもないが、シマケンとりんのこの関係、どうも釈然としない。
と思ったところに、美津(水野美紀)がシマケンのことを気にし、りんを諭す。
「あの方は心根がいいから。何をやってもいずれはなんとかなるでしょう。孫も可愛いけれど。我が子もかわいい。環のためもいいけど。そろそろ自分のためも考えなさい」
りんが環のためにシマケンとの関わりを先送りしているとも思えないのだが、りんにとっての環のためは、学校に行かせるお金を潤沢に用意することなのだ。
美津に言われてりんはシマケンに会いにいく。
「シマケンさんと一緒に行きたいです」
おお、ついに決心!――と思ったら、
「でも。いま、恵風看護婦会はしのぶさんがやめたばかりで患者さんも増えていって…。家族のこともありますし…」
どっちなんだ。
シマケンは「そうだよね。苦しませてごめん」と受け入れる(やさしい)。
「僕たちは一緒に生きていくべきではないと思う」
「りんさんには りんさんのやるべきことがある」
物わかりのいいシマケンに、りんはずいっと前に出て、手を握る。
「私はシマケンさんと一緒に生きていきたいです」
どっちなんだ!
いやいや落ち着こう。深呼吸、深呼吸。6秒ルール。
日常でも、こういうふうに混乱することはある。ドラマのように、ふたりの会話が整然とわかりやすく進むことなんてない。それは理解できる。
だが、こういう会話のリアルを提示する場所が違うのではないか。歌舞伎を見にきたら、冒頭、いきなりコンテンポラリーダンスがはじまったら、お客さんはびっくりしてしまうようなものだ。
あとで直美が「シマケンさんもなんでそんな簡単に。何か訳があるんじゃないの?」とツッコみをいれる。







