
多江は、陸軍病院へ特志看護婦として向かう
少しずつ、身近に戦争の気配は近づいている。
多江(生田絵梨花)は広島の陸軍の病院に特志看護婦として行くことになった。彼女もまた自ら志願したのだ。
「私が行くから意味があると思って」と言う。結婚しないで人生を看護に捧げて出世した多江。たぶん、若い看護婦の憧れなのだろう。そんな彼女が行くと、後に続く看護婦も出てきやすい。
「よろしくお願いします」と礼を言う、りんたち。
なぜ、お礼?と思うが、彼女たち、看護婦一期生たちは、看護婦という仕事を日本に根付かせることも任務と考えている。
バーンズ先生が言っていた、「あなた達の手は家族の数百、数千倍の人を助ける手なんです。 あなたが看護婦になれば、家族を失い、あなたと同じ思いをする人を、減らすことができます」と言い、「今ここに看護婦が6人います。私は6つの種をまくことができました。それが60人、600人、6000人に増えたとき、私の夢はかないます」とも言っていた。
バーンズ先生の看護魂を立派に受け継いでいる多江たち。
「傷ついた軍人さんたちをしっかり看護して、看護の未来に貢献してきます」
戦場で自分を試したい虎太郎。
これからの看護婦のためにも陸軍の病院に行く決意をした多江。
前線には出ず、炊事班がいいと思う吾郎。
いろんな考えの人たちがいる。
興味深かったのは、日清戦争は、明治維新後の日本にとって初の本格的な対外戦争だということだ。戊辰戦争までは国内で、日本人同士が闘っていた。それが今度は、海外へ。虎太郎の自分の力を試したいという考えが肥大化したもののように思える。そしてここから、日本は相次ぐ対外戦争へと向かっていくことになるのだ。
さて。本日のツッコミコーナー。
担当が代わると虎太郎が看護婦会に挨拶に来た場面。もうひとり薬を運んできた人がいるにもかかわらず、りんは虎太郎にしかお茶を出していない。
「次の担当にも引き継いでおりますので」と虎太郎が言うと、直美の前にいる人が「よろしくお願いします」と言っている。この人が次の担当なの? 部下なだけ?
この人はクレジットに演者名もない。すでにお茶をもらっているのだろうかと必死に目を凝らしたが、わからなかった。
長年、ドラマや映画や舞台のディテールに目を凝らしてきた筆者だが、この場面が成立しているのかわからない。違うルールの国の作品を見ているような気持ちになった。部下にはお茶を出さないものなのか?
ドラマを見ていて時々、場面に映ってはいけないものが映っていることがある。見切れというが、マイクや別アングルから撮っているカメラマンが映り込んでいたり、時計の時間が間違っていたり。
人間だからミスもあるだろう。描かなければいけないことが描けていないこともたまにはあるだろう。もしもSNSで盛り上がってほしいと思ってのことだとしたら、頼むからやめてほしい。
「道をはずれた人から、いつも道は生まれた。」がドラマのキャッチフレーズだからといって、お茶くらいふたり分出してくれ。
頑張る人ほど見落とす、たった1つのこと。それは人数分のお茶である。








