薬のボトルと複数の錠剤を手にする女性写真はイメージです Photo:PIXTA

子ども部屋で、市販薬の空箱がいくつも見つかった。「え、オーバードーズ?」――そう気づいた瞬間、親は「すぐに薬を取り上げなければ」「病院に連れて行かなければ」と頭が真っ白になるかもしれない。だが、心配のあまり大騒ぎしたり、薬を一方的に取り上げたりすることが、かえって子どもを追い詰め、より危険な行動につながることもある。では、親は何をすべきなのか。精神科医の松本俊彦氏が、子どものオーバードーズに気づいたとき、親がまず知っておきたいことを紹介する。※本稿は、精神科医の松本俊彦監修『「うちの子、依存症?」と気になったら知りたいことが全部のってる本』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。

市販薬オーバードーズの情報は
SNSを通じて広がっている

 若者がハマる薬やドラッグには流行があり、ここ10年ほどでも傾向はさま変わりしました。下のグラフを見てください。2024年に依存症や急性中毒で治療を受けた10代が使っていた薬物の7割以上が市販薬なのです。それは、けっして特別な薬ではなく、CMで商品名が連呼されているかぜ薬や咳止め、鎮痛剤など。近所のドラッグストアで簡単に手に入る薬ばかりですが、乱用することで依存状態に陥るのです。

図表 10代の薬物依存症患者が依存している薬物同書より転載 拡大画像表示

 本来決められた用量(Dose:ドーズ)を超えて(Over:オーバー)服用してしまうので「オーバードーズ」と呼び、略して「OD」とも呼ばれます。