Photo:Raymond Boyd/gettyimages
米ミズーリ州セントルイス在住のブレット・ドイルさんは、電子ドアハンドルや巨大なタッチスクリーン、交通の流れに自動的に合わせるクルーズコントロールなど、最新の自動車技術に関する詳細なスプレッドシートを作成している。
それはドイルさんの夢の車を詳しく説明しているわけではない。むしろ最悪の悪夢だ。
コンピューターサイエンティストのドイルさんは、「そんなものは一切欲しくない」と話す。ドイルさんは、これらの技術はいずれ問題を引き起こすに違いないと考えている。
ドイルさんは、自動車に新技術を詰め込もうとする業界の執着と闘う、声高な少数派の一人だ。彼らのことを、進歩を阻む気難しい障害物と呼ぶか、あるいは道路上の正気の最後の希望と呼ぶかは、人それぞれだろう。いずれにせよ、彼らは反発している。
米国にはドイルさんのように、新車を完全に拒否していたり、中古車にこだわったり、古い車を買い替えずに乗り続けたりする人もいる。生来の車好きであるドイルさんと10代の息子たちは、できるだけ長くアナログな状態を保つため、2010年代に購入した家族の車4台をメンテナンスしている。
「車内が暑くなってエアコンをつけたい時は、ノブを回すだけで冷たい風が出てくるのがいい」とドイルさんは言う。「新しいことを覚えるのはもう疲れる」
工夫を凝らして対応している人たちもいる。ハイテク機能や装備が最も少ない車種を求めてディーラーを探し回る。現代の車種の中で最もローテクな車を探してオンラインの掲示板を利用する。アラームや警告を無効にする方法を見つけたり、昔ながらのボタンを模倣するためにデジタルダッシュボードにテープを貼ったりする。
それは簡単なことではない。最新の車載ガジェットを提供することは、自動車メーカー間の競争となっているからだ。ダッシュボード全体に広がるディスプレースクリーンや、指紋で始動する車、自動運転支援技術、ドライバーの目をスキャンして疲労の兆候を検知する赤外線カメラといった技術を巡る競争は激しい。







