先読み!企業業績 株式相場の歩き方#21Photo:VCG/gettyimages

10月から新TOPIXがスタートする。競争が活発になることは、日本株全体にとってもポジティブだが、個人投資家はどこに注目すべきか。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、東証改革の総仕上げ的な存在でもある「TOPIX改革」の詳細に加えて、投信やETFの買い需要が期待できる「新規採用候補」銘柄、さらには再採用に向けた動きに注目したい「除外候補」銘柄を具体的に紹介。注目度が高まる銘柄群だけに、ぜひチェックしてほしい。(経済ジャーナリスト 和島英樹)

10月から新TOPIXの算出が開始
日本株再浮上の起爆剤となるか

 新しい採用基準に基づいたTOPIX(東証株価指数)の初回銘柄入れ替えが2026年10月に実施される。浮動株時価総額の低い銘柄が除外され、新たにスタンダード市場やグロース市場からも採用される見込みとなっており、市場関係者の注目度が高まっている。

 最初にTOPIXとは何かということを簡単に説明しておこう。TOPIXは1969年に算出を開始した株価指数で、多くの機関投資家や外国人投資家などがベンチマーク(投資基準)として採用している。メディアでは日経平均株価が使われることが多いが、市場全体の動向を見るにはTOPIXの方が優れているといわれている。

 市場関係者によると、TOPIX連動で運用している資金は160兆円程度に達するとされている。現時点では東証プライム市場に上場する全ての銘柄が組み入れられており、現在は1550銘柄程度で構成されている。

 新TOPIXの発表は10月初旬予定で、入れ替えの基準日は8月31日だった。では、どうして東京証券取引所では採用基準の見直しに踏み切ることになったのか。

 現在の制度では一度TOPIXに入れば、株価が低迷しても、企業の財務状態が悪くても除外されることがない。このため、企業に経営努力を促すインセンティブが働きにくいからだ。また、運用サイドから見ても、必要のない銘柄まで組み入れることになるとの声が多かった。

 改革の主なポイントは下記の3点だ。

(1)年1回の入れ替え制に変更する
(2)採用の対象をスタンダード市場、グロース市場まで拡大する
(3)浮動株時価総額の上位97%を採用する

(1)については、初回は26年8月の月間平均株価が基準で10月末入れ替えとなる。以降も毎年8月末基準、10月末入れ替えを予定している。

(3)については、正確には年間売買代金回転率と浮動株時価総額の流動性基準により選定する。

 なお、浮動株時価総額とは、親会社や創業家の持ち株、政策的な株式持ち合いなどの株式を除いた、市場で流通する株式を基に算出した時価総額のこと。指数に市場の取引実態をより反映させることが目的だ。

新TOPIXスタートを目前に控えて、個人投資家が注目すべき点は何か。次ページでは新TOPIXの詳細に加えて、イベントを利用した二つの投資アイデアを解説。さらに新規採用候補、除外候補の注目企業を紹介する。