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「このままでは危険です」。ガソリンスタンドで給油した際、店員がこんな営業トークを繰り出してくることがあります。この提案を真に受け、高額な修理やパーツ交換を依頼してもよいのでしょうか。判断基準を本音で解説します。(モータージャーナリスト 鈴木ケンイチ)
ガソリンスタンドの「無料点検」を
安易に依頼すると……
ガソリンスタンドに給油に行くと、店員に「おクルマ、点検しませんか?」と声をかけられることがあります。しかも「点検は無料です」と良心的です。
お得なので「じゃあ、お願いします」と依頼すると、「このままでは危険ですね。有償になりますが、パーツの交換が必要です」という提案が――。
こうした営業トークを真に受けて修理や交換を依頼した結果、想定以上に費用がかかり、「困ったな、どうしよう」と途方に暮れるのはよくある話です。
実際、国民生活センターに「ガソリンスタンドで『このままでは危険』と言われ、不安になってタイヤを交換した。高額だったが、本当に必要だったか疑問だ」という相談が寄せられた事例もあります。
ガソリンスタンドの店員は、毎日クルマに接しているプロです。そんな専門家におすすめされると、「今すぐ点検や交換をしなければ」と焦ってしまうのも無理はありません。
ですが、点検で指摘された整備やパーツ交換が必須かといえば、微妙なケースもあるのが正直なところです。
本当に修理が必要なケースと
必須ではないケースの違いとは?
もちろん、本当に深刻な不具合が生じていて、絶対に交換しなければならない場合もあります。
例えば、ヘッドライトやブレーキランプの電球が切れている場合。これらを放置すると事故に直結するため、問答無用ですぐに交換してもらうべきです。
また、タイヤの不具合にも最優先で対応する必要があります。特に、タイヤがパンクしてクルマを動かせなくなっている場合は、その場で迷わず修理・交換してもらいましょう。
タイヤの摩耗が進み、ゴムの中身が見えているときも、いつバーストするか分からず危険ですから、速やかな交換が必須です。
ですが、タイヤの状態にはグラデーション(段階的な変化)があります。
重大な破損が起きておらず、「スリップサイン」も出ていないタイヤは、必ずしも交換を急ぐ必要はありません。
少し摩耗してきたタイヤは、買い替えの時期が近づいているのは確かですが、溝やひび割れなどの状態次第では、その場での交換が必須とは限りません。
点検を受けたガソリンスタンドではなく、周辺のディーラーや整備工場まで運転し、そちらで交換を依頼する程度であれば問題ない場合もあります。
また、ガソリンスタンドには、給油と同時にパーツの購入や交換を済ませられるという利便性があります。その付加価値が価格に反映されている分、カー用品店やネット通販などと比べると、「値段が少し高いな」と感じることもあるでしょう。
ガソリンスタンドでの交換費用を軽くする方法としては、あらかじめ購入済みのパーツを使用するという手があります。この場合、購入代金は不要。交換の手数料だけで済みます。
一方で、少々高いなと思っていても、あえてガソリンスタンドでパーツを交換し、他のお店に行く手間を省くのも選択肢の一つです。
どちらにせよ、そうした判断を店員に任せきりにするのではなく、自分で考えて決めることが、後悔しない上で重要になります。
判断のための材料として、過去にディーラーでパーツを交換した際の支払い明細をクルマの中に保管しておけば、ガソリンスタンドへの依頼を検討する際の比較対象にできます。








