写真はイメージです Photo:PIXTA
「高学歴の人が住む街」と聞いて、どこを思い浮かべるだろうか。国勢調査を250m四方のメッシュで可視化すると、番町や豊洲、武蔵小杉など、意外な場所に高学歴層の「集積」が浮かび上がる。さらに成城石井の店舗を重ねると、居住地と消費の間にも共通点が見えてきた。データから、東京の「高学歴エリア」の知られざる姿を読み解く。※本稿は、データ可視化職人のにゃんこそば『データでわかる東京格差 数値の「可視化」で真実をあぶりだす』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。
大学進学率は30年で
約2倍になった
2024年、高校を卒業した若者のうち59%が大学へ進学(注1)しました。これは、ほんの1世代前の1994年の30%という数字と比べると、約2倍という驚くべき伸び率です。
この変化をけん引したのは、特に女性の進学動向です。1994年には4年制大学へ進学する女性(過年度卒業者を含む)は21%に過ぎず、25%が短期大学を選んでいました。
しかし、2024年では4年制大学への進学率が56%へと上昇した一方で、短大への進学率は6%弱にまで低下しています。
この背景には、1990年代以降に女性の雇用機会が拡大し、長期的な視点でキャリア形成を目指す女性が増えたことや、少子化の波を受けて学生獲得競争が激化し、一部の短大が4年制大学に転換していることなどがあります。
今や夫婦ともに大学・大学院卒という世帯も珍しくありません。親世代の学歴が子どもの教育に影響を与えることを考えると、大学進学率はさらに伸びていくことでしょう。
では、大学・大学院を卒業した人々は、一体どんな街に住む傾向があるのでしょうか。ここでは国勢調査のデータをひも解き、学歴という切り口から首都圏の街の性格を覗いてみます。
千代田区に住む30代男性の
大卒・院卒率は86%
まずは、働き盛りの代表として30代男性に焦点を当てて、既卒者のうち大学・大学院を卒業した人の割合を市区町村別に見てみましょう。出典は総務省統計局『令和2年(2020年)国勢調査』で、在学者と学歴不詳者は除外しています(図1)。
同書より転載 拡大画像表示
東京23区で最も高いのが千代田区です。30代男性の86%(大学56%、大学院30%)が大学・大学院を卒業しています。
これに中央区、文京区、港区といった都心周辺の区が続きます。これらの区に住む高学歴男性の職業を見ると、金融業・保険業や学術研究、専門・技術サービス業(弁護士・会計士などの士業、コンサルタント、研究者など)の割合が高くなっています。
まさに、日本のビジネスの中枢で働く人々が、職住近接を求めて暮らすエリアと言えるでしょう。







