ジャシーが特に目の敵にしたのが、「決定のための会議」の前に開かれる「プレ・ミーティング」、さらにその前の「事前のすり合わせ」といった、ルール化・習慣化してしまった過剰なプロセスでした。ルールをシンプルに削ぎ落とすことで、現場が「意思決定のプロセスそのもの」に忙殺されるのを防いだ好例といえます。
また、このメールボックスの設置を決定したこと自体はトップダウンの取り組みですが、あくまで現場から意見を吸い上げ、単なるポーズだけではなく、行動に移すというインクルーシブなプロセスも実現されている点も見逃せません。
ルールよりも「文脈」を
重視するNetflix
ルールをいっそなくしてしまおうというスタンスを取っているのは、Netflixです。
共同創業者のリード・ヘイスティングスによる著書『NO RULES』は、2009年に公開した127枚のスライド「Netflix Culture Deck」がもとになっていますが、「ルールはクソだ」という言い回しがたびたび出てくるように、ルールを否定し、自由を称揚する内容となっています。
「ルールよりもコンテクストを重視する(Context, not with Control)」という考え方がベースとなっており、細やかなルールで統制を図るのではなく、判断基準となる文脈を共有することでメンバーの思考や行動を促しています。
Culture Deckも公開以来、何度かアップデートされており、最新の採用ページ(注2)では4つの基本原則と8つのバリューが提示されています。
(注2)“Netflix Culture Memo - Careers at Netflix” Netflix, 2026 https://jobs.netflix.com/culture
4つの基本原則(Four Core Principles)
The Dream Team(最強の布陣)
People Over Process(プロセスより人を重視する)
Uncomfortably Exciting(安住ではなく興奮を求める)
Great and Always Better(さらに上を求め続ける)
8つのバリュー(The Values we value)
Selflessness(利他性)
Judgment(判断力)
Candor(率直さ)
Creativity(創造性)
Courage(勇気)
Inclusion(包摂)
Curiosity(好奇心)
Resilience(レジリエンス)







