『組織の成果を最大化する ルールのデザイン』(安斎勇樹、水野 祐、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
例えばバリューの1つである「Candor(率直さ)」では、メンバーは互いにフィードバックすることを求められ、そのガイドラインとして「4A」Aim To Assist(助ける気持ちで)・Actionable(行動変化を促す)・Appreciate(感謝する)・Accept or discard(取捨選択する)が示されています。「率直さ」という抽象的なバリューを、具体的な行動基準にまで落とし込んでいるのです。
こうした文書から読み解けるのは、Netflixは「脱ルール志向」と言っても、単なる「規程」のような文書の形をとっていないだけで、その内実は広い意味での多くのルール──より厳密にはプリンシプルベースのルールが存在し、メンバーには高い自律性と責任を求めているという事実です。
実は、さきほど紹介したリード・ヘイスティングスの著書の原題は『NO RULES Rules』で、Netflixはまさに「ルールをつくらない」というメタ・ルールによって、「適度な制約と自由のバランス」を調整し続けていると言えるでしょう。
ルールデザインというとルールを「つくる」ことに目が行きがちですが、ルールをなくすことも重要なルールデザインであるとの示唆がここにはあります。







