あるいは、そのような中間管理職を支える仕組みとして、メンターのような存在が有効です。メンターとは、中間管理職の経験がありながら少し全体を俯瞰できる立場の人が、指示や指導ではなく、まず傾聴する役割を担うものです。

 私自身、大学にいた頃に若手研究者のメンターを務め、管理職的な役割が加わってきた時期の多くの悩みを聞く機会がありました。今でもその関係は続いています。

 直接の上司にも部下にも相談できない中間管理職にとって、利害関係のない第三者として話を聞いてくれる存在は、孤独感を大きく和らげてくれます。個人の努力だけに頼るのではなく、組織としてそのような支援の仕組みをつくることも、職場の孤独を防ぐうえで重要な課題といえるでしょう。

職場の孤独は「組織文化」に
大きく左右される

 職場の誰もが孤立・孤独にならない配慮は、リーダーだけでなくメンバー一人ひとりに求められるものですが、それがどこまで実践されるかは、その職場の「組織文化」にも左右されます。

 たとえば、多くの企業に見られる「階層的組織文化」では、上下関係が固定的で、トップダウンの指示・ボトムアップの報告という効率的なシステムがある一方、従業員が「代わりのきく部品」のように扱われがちで、個々人の独自性や多様性が尊重されにくくなります。こうした感覚は孤独感に陥るリスクを高めます。

 一方、ニックネームで呼び合うなど親密な関係を築く「家族的組織文化」は、一見孤立・孤独とは無縁に思えます。しかし、その強い関係を維持するために自分を抑え続けると、本人が意識しないうちに孤独感が募っていくことがあります。わかり合っているという前提が、かえって暗黙の同調圧力になってしまうのです。

 また、結果が重視される「成果主義的組織文化」の職場では、職場の「仲間」が同時に「競争相手」となります。良きライバルとして切磋琢磨できればやりがいにつながりますが、目に見える成果ばかりが評価されると、燃え尽きや、ときには足の引っ張り合いにつながることもあります。