「部下との接し方が分からない」「部下に嫌われたらどうしよう」――。そんな悩みを持つ管理職は多いはず。シリーズ1作目『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)のエッセンスを凝縮して、内心は不安でいっぱいなリーダーが組織を率いて成果を出すための秘策を伝授する。特集『識学大全』(全12回)の#7では、前編として、「識学」のメソッドにもとづいた「ルール作り」「指示出し」の要諦をお届けしよう。(ダイヤモンド編集部)
カリスマ性がなくても
「勝てるリーダー」になれる!
管理職になったばかりのタイミングは、実は仕事人生において非常に大事な時期です。自分のことだけで一生懸命だったプレーヤー時代が終わり、初めて「他人の人生」について考えるようになるからです。
その後も出世し続けたり、あるいは独立・起業したりする場合でも、最初の「部下との接し方」がマネジャーのキャリアの原点になります。その時期に知っておくべきマネジメント術を、ここではお伝えしていきます。
リーダーの仕事におけるゴールとは「部下を成長させ、チームの成果を最大化させること」。部下と「なあなあの関係」を築いてしまうと、その目的は果たせません。リーダーとメンバーに「いい緊張感」を生むことが目標達成のカギになります。
ただそうはいっても、リーダーも一人の人間。特に初めて部下を持った人などは、「メンバーから尊敬されたい」「すごいと思われたい」という欲求が湧いてくることでしょう。「厳しい指導をしたら、嫌われて人が離れていくんじゃないか」と不安になるリーダーもいるはずです。
そうした感情を振り払い、チーム全体に「いい緊張感」を生んで成果を最大化させるに当たって、リーダーは何をすべきなのでしょうか。
結論からいうと、ちょっとした考え方を身に付け、頭を切り替えることが必要になります。その方法として有効なのが、本特集の#1『ソフトバンクの小久保監督もイチ押し!導入企業続出の新マネジメント法「識学」とは?』で解説した「識学」という学問です。
今回は、その識学をベースにした「リーダーの仮面」という武器を皆さんに授けます。部下を率いて結果を出すためには、カリスマ性も人間的魅力も必要ありません。それらの代わりに必要な考え方を、次ページ以降で徹底解説します。