28年ぶり日米円買い協調介入も効果は一時的、しばらくすれば円安にまた戻る「根深い原因」Photo:AFP=JIJI

再び1ドル=159円台に戻った円安
かつては例外的だった円買い介入

 円安基調が続く中、7月末には日本とアメリカの当局による円買いの協調介入が行われた。

 介入前に、1ドル=163.99円まで下落していた円は、一時155円20銭前後まで急上昇した。ところが、その後再び円安が進み、8月14日には159円50銭前後まで戻り、その後も158~159円台で推移している。

 政府・日本銀行は4月末から5月上旬にも円安阻止での為替介入を実施したが、日米の協調介入は、2011年の東日本大震災後の円売りがあるものの、円安阻止のための円買い介入を行ったのは、1998年を最後に、長く途絶えていた。

 このとき、日本はバブル崩壊後の金融危機のまっただ中にあり、ドル円レートは1997年6月の1ドル=110円から、98年6月の146円台にまで下落していた。

 その後、日本が為替市場に介入したことはあるが、それは主として円高を抑えるための円売り介入だった。2000年代前半には、急激な円高が輸出企業や景気に悪影響を及ぼすことへの懸念から、大規模な円売り・ドル買い介入が行われた。

 つまり、この時期の日本にとって問題だったのは、基本的には「円が高くなり過ぎること」であり、「円が安くなり過ぎること」ではなかったのだ。日本企業の海外競争力や巨額の経常黒字を背景に、円にはむしろ上昇圧力がかかりやすいと考えられていた。

 このため、円安を阻止するための円買い介入は行われなかった。つまり円買い介入は、日本の為替政策の中では極めて例外的な措置だったといえる。

 今回の協調介入には、ドル相場や米国債市場の不安定化、財政赤字拡大懸念による米長期金利の一層の上昇などを避けたいアメリカ側の思惑も報じられてはいるが、円買い介入が再び繰り返されるようになったことは、日本を取り巻く経済環境が、これまでとは大きく変化したことを示している。

 さらに重大なのは、大規模な介入を行っても、その効果が持続しないことだ。短期的には介入に効果がある。しかし、その効果によって円相場の基調そのものを転換することができないのだ。

 この事実は、現在の円安の背後に、より根深い原因が存在することを示唆している。