一部店舗では、大型車専用駐車場を完備していたり、長距離ドライバーのために無料で使えるシャワー室を設置していたりする。こうした利用客へ最大限に寄り添う姿勢について、刈部氏は「売上が好調だからこそできる、おもてなし」と評価する。
「一般的に店舗数が増えるほど、多様な客から細かなニーズが出てきます。それに応えるためには、ある程度の資金を投入する必要があり、そうなると収支を調整しなければいけない。なかなか難しいことですが、山岡家の場合は業績を順調に伸ばしているからこそ、客のニーズを丁寧に汲み取ることができるのでしょう」
300店舗を目指す山岡家、達成見込みは?
実は、山岡家は過去に都心部への出店に挑戦していた時期もあった。しかし例えば、「歌舞伎町店」(東京都新宿区)は2年待たずに閉店、「池袋西口店」(東京都豊島区)も3年ほどで閉店した。
刈部氏は都心部進出の課題として「やはり山岡家ならではの独特な豚骨臭が大きな壁となっている」と指摘する。
「住宅地やオフィス街では、においの苦情が多くなりやすく、撤退を余儀なくされるケースがあります。また、主要客層がビジネスマンになると、においがきついラーメンはランチに向かないといった難点もあるでしょう」
山岡家は今後、「300店舗体制を目指す」と宣言している。ちなみに同業では、「餃子の王将」が700店超、「日高屋」が400店超、「幸楽苑」が350店前後。山岡家がその目標を達成できる見込みは、あるのだろうか?
「可能性は十分あると思います。まず、ロードサイドへ出店する余地は大きいでしょう」
「都心部でも豚骨ベースのラーメン店自体は増えています。豚骨ラーメンというジャンルがもっと広く受け入れられれば、山岡家が都心部に再進出し、成功する道も考えられるでしょう」
山岡家は新卒採用サイトにて、《ロードサイドで展開するラーメン山岡家は残しながら、第二、第三の山岡家となるような新業態事業に挑戦し、駅近のニーズのある業態が誕生した時には、当然そこに対しても注力していきます》と掲げている。
この方針を解釈するに、都心型の新ブランドを出す気なのだろうか?新たなラーメン競争の火蓋が切って落とされるのか、ファンならずとも要注目である。







