若手に「仕事って、結果だけ出してればいいですよね?」と言われたら、何て返す?Photo: Adobe Stock

職場で若手から「仕事って、結果だけ出してればいいですよね?」と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか? 個人で成果を出していれば評価されると信じる人と、本当に評価されている人は、いったい何が違うのだろうか。本記事では越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』をもとに、その答えを解説する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「仕事って、結果だけ出してればいいですよね?」と言う若手

「自分の担当業務で、ちゃんと結果を出してますよね?」
「だったら別に文句ないはずだし、評価されるべきですよね?」

職場や面談の場で、若手社員からどこか刺々しいトーンでこう問いつめられたら、あなたはどう答えるだろうか。

彼らは「個人として言われた数字や納期を守り、結果を出してさえいれば完璧だ」と本気で信じている。

効率重視で割り切って働こうとする若い世代に、ありがちな主張である。

しかし、残念ながらその認識は大きな間違いだ。

仕事の約9割は「他者との協力」が必要

『会社から期待されている人の習慣115』には、若手に教えてあげたい残酷な事実が書かれている。

17万人を調査したところ、働いている全時間の87%が他者の協力を要する仕事をしている時間であるとわかりました。
ここには期待されている人とそうでない人に差は見られませんでした。

 

ところが、507社のオフィス行動データを分析したところ、同僚から「あの人は忙しそう」と2か月に1回以上言われている人は、働いている時間の72%しか共同作業をしていないとわかりました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

どれほど優秀な個人であっても、ビジネスパーソンの仕事の9割近くは「他者との協力」で成り立っている。

自分ひとりで出せる結果など、たかがしれている。
周囲からの協力や情報が入ってこなくなれば、やがて一人で抱え込み、もっと大きな成果を出すチャンスを自ら潰してしまうことになる。

「結果さえ出せばいい」と、不機嫌さを隠さず、忙しそうなオーラを出して周囲を突っぱね、周囲に気を遣わせる働き方は、本人が思っている以上に「自分自身の成果」を削ぎ落としてしまうのだ。

優秀な人は、どんな状況でも「機嫌のいいフリ」をする

一方で、若くして社内から高く評価され、次々と大きな仕事を任されていく優秀な人たちの行動パターンは全く異なっている。

彼らは「他者を巻き込んで生み出す成果」の大きさを知っており、そのために自分の感情をコントロールしていた

会社から期待されている人たちは、常に「機嫌がよい状態」をキープするよう心がけています。
 

とくに顕著だったのが、会議のときです。
218社で計3万2,000時間の社内会議を記録し、AIによる感情分析をしたところ、期待されている人の65%は会議時間の60%以上でポジティブな感情を表出しているとわかりました。
忙しくても、トラブルが起きても、後輩にプロジェクトを取られても、朝の電車が遅れても、体調がいまいちでも、口角を少し上げ、機嫌のよい「ふり」をし続けるのです。

(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

どれほど忙しくストレスがかかる状況であっても、機嫌の良い「ふり」をし続ける。

周囲が話しかけやすい雰囲気を自ら作ることで、他者からの助けや良質な情報を引き出し、より大きな結果へと繋げていたのである。

「結果がすべて」と言う若手に教えてあげたいこと

実際、評価を下す管理職側の本音を見ても、「個人の成果」よりも「他者との協力」を評価していることがよくわかる。

不機嫌で忙しそうに振る舞うことは、周りからの評価を下げ、必要な協力を得られなくなり、仕事を一人で抱え込むことにつながるのです。
 

当然、仕事の成果にも悪影響を及ぼします。
評価を決める管理職にも聞いたところ、「どんな仕事をするかより、誰と仕事をするかを重視する」と答えた人が6割を超えていました。

(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

組織が本当に求めているのは、小さな個人作業の結果だけを出す孤高のプレイヤーではない。

「この人と一緒に仕事がしたい」と周囲に思わせ、チーム全体の力を何倍にも増幅させられる人材だ。

もし若手に「結果だけ出していればいいですよね?」と聞かれたら、こう教えてあげてほしい。

「自分の機嫌を自分でとり、周りが気持ちよく協力してくれる環境を作ること。それこそが、あなたがもっと大きな結果を出し、正当に評価されるための『一番大切な仕事』なんだよ」と。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。