「口がうまい人」にだまされる人が決定的に見落としていること〈風、薫る第112回〉

ライバル看護婦会、現る

 近頃、知識のない看護婦が現れ、法外な金額を請求していることをどう思うかと記者が質問。

 そんなの知ったこっちゃない。でも記者ってこういう一般論の質問をしがち。筆者も自戒の意味を込めて書いておく。

 直美たちにとって営業妨害でしかないと思っていると筆者は想像するが、いまや直美はすっかり大人な対応ができるようになっている。

 それにしても、上坂樹里さんは明治時代の女性に寄せたヘアメイクと相性がいい。いやもちろん、現代性も加味して、当時を完コピしているわけではない。だが、いつも時代ものの朝ドラの登場人物のメイクはあっさり目。だから別の番組に出たとき、メイクが全然違って別の顔に見えるのだ。

 そして、朝ドラでは市井の人物を演じているからやや地味に見えるが、現代ふうのメイクをするとやっぱり女優さんだ〜(あえて女優というワードを使っています)と思う華がある。上坂さんの場合、朝ドラキャラ仕様の薄いメイクがむしろ透明感があって、きりっとして魅力的だ。このドラマに合っていると思う。

 恵風看護婦会は、ちゃんとした看護をしている。りんは佳枝(相田翔子)から絶大な信頼を置かれている。有名な一ノ瀬さんにもう7年も、と微笑む佳枝は、以前より健康そうな顔をしている。透明感が増したような。これこそ元スーパーアイドル・ウインクの相田翔子さんだ。

 佳枝は、新手の看護婦会(親和看護婦会)から勧誘されていた。りんへの絶対的な信頼があるから佳枝は看護婦会を変えないとは思うが。

 それにしても、知識のない看護婦が現れ、法外な金額を請求している事態というのは、どんな世界でもありそうなこと。知識も経験もない人が、口先だけでうまく相手を丸め込む。丸め込まれる相手も、知識がないから真偽を確かめられない。

 だます側が弁舌巧みだと信頼してしまうこともあるだろう。とりわけ知らないことをもっともらしく言われたら、知らない引け目も手伝ってそういうものと思ってしまう。だが、自分を守るためには、つねに冷静であることが大事。ファクトチェックを忘れずに、できるだけ知識を増やしていく努力も続けたい。

 それが看護となると生死にかかわるから、騙された、仕方ないじゃ済まされない。いっそうの慎重さが必要だろう。