『風、薫る』第108回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第109回(2026年8月27日放送)「風、薫る」レビューです。
戦争が終わって
オンエア未見で、レビューだけ先に読んでいるかたがいたら、最初にご注意しておきたい。かなり心して見なくてはいけない回だ。
吾郎(甲斐翔真)が出征して1カ月。戦争が終わった。それも日本の勝利で。まさに「明るい」展開。
「明、お父さん、帰ってくるって、うれしいね」
直美(上坂樹里)は楽観的だ。「うれしいね」の声がほんとうにうれしそう。生まれた明は男の子。吾郎は男の子でも女の子でも明という名前にしようとしていた。
明るい報せと、赤ちゃんのあどけなさに、主題歌が爽やかに聞こえたが、主題歌が開けると、吾郎はちっとも帰ってこない。台湾に行ったまま。
「吾郎さんに早く明の顔をみてほしいです」
直美はせっせと吾郎に手紙を書く。なんとなくいやな予感がしてきた。
場面が変わって広島。多江(生田絵梨花)がいる病院に患者が運ばれてくる。緊急を要する雰囲気だ。そのとき患者の顔に多江が気づく。いやな予感しかしない。でもその先はお預けだ。
東京では、直美やりん(見上愛)が今日もがんばっている。
りんは、男爵夫人・佳枝(相田翔子)に、外を歩きたいと請われ、お散歩することに。チュウ(若林時英)の店で、蒸麺包あずき味を食べて、ごきげんに。気持ちのいい風の効果音で、良い気分が伝わってくる。
だが、爽やかなのはこの回ではこれが最後。
場面が変わると紫陽花が雨に濡れて、しっとりしている。ホラー映画で、こわいことが起こる、起こるとこわごわ待ち構えているような心境である。薄暗いが、一ノ瀬家では、環が学校に行く支度をして、出ていくので、朝であることがわかる。そこへ軍服の人がやって来るのが映る。
もしかして吾郎が帰ってきた?







