この小さいながらも裕福な都市国家にあるリチャード・リム氏の自動車販売店では、値札はまるで不動産物件のようだ。独BMWのスポーツタイプ多目的車(SUV)「X5」の1年落ち中古車は35万2000米ドル相当(約5600万円)で売りに出されていた。トヨタ自動車の小型都市型SUV「ヤリスクロス」の新車価格は15万2000米ドルだった。走行距離約9万キロメートルの7年落ちBMW「4シリーズ・グランクーペ」でさえ、7万ドル近くだ。「車を買うことは不動産を買うのとほぼ同じだ」とリム氏は話す。「かなり高額な買い物だ」シンガポールは過去36年間、自動車保有台数への厳格な上限により、東南アジアの他の全ての大都市では当たり前の渋滞をほぼ免れてきた。政府はいわゆる車両所有権証書(COE)を公開入札(オークション)にかけており、この権利書を取得しなければ車を道路で走らせることはできない。ディーラーは通常、予想される、あるいは実際のCOE費用を含めた車の価格を提示している。