株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか? 「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」――そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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急騰した株を見て、「もう遅い」と思っていませんか?
しばらく低迷していた株が、突然大きく上昇することがあります。そんなチャートを見ると、「こんなに上がってから買うのは怖い」「もっと安いところで買いたかった」と感じる人は多いでしょう。
しかし窪田さんは、株価が大きく上昇したという理由だけで、「もう遅い」と判断するべきではないと言います。
窪田さんの著書『株トレ』に掲載されている次の週足チャートを見てみましょう。
次のチャートを見て、あなたは「買い、売り、様子見」のうち、どの投資判断を下しますか?
このチャートで、あなたの投資判断は?
「大陽線」と「売買高の急増」が同時に出ている
窪田さんは、このチャートについて「買い」と判断できると言います。
理由は3つあります。
①大陽線(長い陽線)が出ている
②売買高が急増している
③移動平均線の傾きが上向きに変わっている
なかでも重要なのが、「大陽線」と「売買高の急増」が同時に起きていることだと窪田さんは指摘します。
売買高の変化に注目する
株価は9ヵ月前に大きく下落しました。その最終局面では売買高が急増しています。
窪田さんは、下げ続ける株価に耐えられなくなった投資家から、投げ売りが出た可能性があると見ています。
その後、株価が底打ちしてからは、売買高が減少しました。ところが、足元で株価が急騰する局面では、再び売買高が大きく増えています。
この変化が重要です。
株価が大きく上昇しただけでは、なぜ上がっているのかはわかりません。しかし、売買高が急増するなかで株価も急騰しているなら、それだけ多くの投資家が買ってきていることがわかります。
窪田さんは、このチャートから「何らかの好材料が出て、買い手が大急ぎで買い始めた」と読み取っています。
しかも、売買高を伴って急騰し始めてから、まだ1週間しか経っていません。つまり、すでに大きく上がった後ではなく、上昇相場が始まったばかりの可能性があるわけです。
株価が急騰すると、反射的に「もう高い」と考えてしまいがちです。しかし、売買高を伴った急騰は、むしろ新しい上昇相場の初動として注目すべき局面です。
過去の高値が近くても「買い」と判断できる理由
一方、このチャートには気になる点もあります。株価が、9ヵ月前につけた高値の1950円に近づいていることです。
過去の高値付近では、「以前、高値で買ってしまった人たちが、株価が戻ったところで売るのではないか」と考える人もいるでしょう。
そのため、「1950円を明確に上回るまで様子を見る」という判断もあります。窪田さんも、この考え方なら「様子見」でも問題ないとしています。
ただし、1950円の高値をつけたのは、すでに9ヵ月も前です。その間、株価は大きく下落し、大底圏では売買高も急増しています。窪田さんは、この過程で、高値づかみした短期投資家の多くがすでに株を手放したと考えています。つまり、十分に日柄調整が進んでいるということです。
さらに、足元では再び大きな売買高を伴って株価が上昇しています。そのため、過去の高値付近で戻り売りが出たとしても、強い買いがそれを吸収しながら上昇していく可能性があると、このチャートから判断できるのです。


