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仕事で成果を上げるためには、家庭を後回しにしても仕方ないと考え、不眠不休で働き続けてきたビジネスパーソンは少なくありません。しかし、そのような働き方には持続可能性がなく、管理職へ昇進した途端に行き詰まるケースが多発しています。家庭を犠牲にして働く人がなぜ長期的に活躍できないのか、その背景にある4つの理由について、人事・採用コンサルタントが解説します。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)
成功体験が生み出す意識のズレ
「子どもの学校行事があるので、明日は早退します」「親の通院に付き添うため、午後は休みをいただきたい」。部下からそう相談されたとき、あなたならどう受け止めるでしょうか。
表向きは「どうぞ、家庭を優先してください」という顔をしながら、心の中では「自分が若い頃は仕事が入れば家族との予定をキャンセルするのは当然だった」「大切な時期なのに仕事を後回しにするのか」と割り切れない思いを抱く管理職は少なくありません。
無理もない側面もあります。家族との時間を削り、深夜まで業務に没頭し、休日返上で成果を追い求めてきた。そうやって高い業績を上げ、昇進した人は実際に存在します。急なトラブルにも現場にすぐ駆けつけ、誰よりも長く働く。そういう姿がプロ意識の高さを示し、責任感があると評された時代もありました。
そういう人にとって、家庭を犠牲にするというのは単なる働き方のスタイルにとどまらず、人一倍仕事にコミットしてきたという自負であり、キャリアを切り拓いてきた成功体験そのものでもあるのです。部下にも同じ覚悟や優先基準を求めたくなるのは、ある意味で自然なことなのかもしれません。
しかし、その価値観は自分一人の馬力で成果を出すプレーヤーから、多様な背景を持つ部下を率いてチームで成果を出す管理職へと立場が変わった途端、通用しなくなります。
育児や介護を担う人、体調に悩みを抱える人など、部下が置かれた状況は千差万別です。全員に、自分同様、家庭より仕事を優先しろと強要すれば、チームの離職率は上昇し、組織力の著しい低下を招きかねません。家庭を後回しにする働き方がなぜ中長期的なキャリアにおいて行き詰まるのか。その根本的な理由について考えていきます。







