同じクーポンでも効く人と
効かない人がいる
「よりたくさんの人に来店してもらおう」とクーポンを配布するとき、あなたが考えなければならないのは、「誰に配るか」です。予算が十分にあれば、全員に配布するのが一番簡単でしょう。
しかし、予算が限られている場合は、全員に配布することはできません。
そう思うと、一言で顧客といっても、いろんな人がいることに気づきます。同じ100円引きクーポンでも、それがきっかけで来店を決める顧客もいれば、クーポンをもらっても来店しない顧客もいます。
なかには、クーポンがなくても来店するつもりだった顧客もいるでしょう。同じ施策でも、人によって効果はまったく異なります。これを効果の異質性と呼びます。
では、この効果の異質性をどうやって知ればよいのでしょうか。ここでもA/Bテストがカギを握ります。例えば、クーポン施策のA/Bテストを実施した後、年齢層別にデータを切り分け、それぞれで効果を分析したとしましょう。
『原因と結果を武器にする思考』(安井翔太、伊藤寛武、金子雄祐、日経BP 日本経済新聞出版)
その結果、若年層ではクーポンによる購買率の上昇が5%だったのに対し、高齢層では15%だったとわかったとします。
このようにして、属性ごとに効果の異質性を捉えることができます。
こうして「どの属性の顧客に効果が高いのか」というパターンがわかれば、次は施策の最適化に活用します。具体的には、以下のように顧客セグメントを分類し、それぞれに適切な施策を打っていきます。
・クーポンによって初めて購入を決意する顧客→配布する。
・クーポンがなくても購入する顧客→配布しない(コスト削減)。
・クーポンを配布しても購入しない顧客→配布しない。
このようにして、効果が高いと予測されるセグメントの顧客から優先的に施策を展開することで、効率的に成果を上げることができます。
「効く人」に絞れば
クーポン原資を大幅に減らせる
筆者の勤務先であるサイバーエージェントでも同様の取り組みを進めています。クーポンのA/Bテストを実施し、得られた効果の異質性を基に配布を最適化するプロジェクトです。
あるクライアントの事例では、年間数億~数十億円規模で投じていたクーポン原資を70%削減できたという実績が出ています。数億円がそのまま営業利益に上乗せされる計算です。
こうして浮いた費用を、クーポンが効きにくいユーザーへの別のインセンティブや、新商品・UI/UXへの投資に振り向けることもできます(注3)。







