コロナ禍で厳しい戦いを強いられている飲食業界。しかしコロナ前から飲食店の廃業率は非常に高いことで知られています。生き残る店と、そうでない店の違いとは何か。今回は集客ツールである「クーポンの使い方」に表れる問題点を解説します。(株式会社ニクキュー代表取締役/飲食店改善コンサルタント 廣澤知伯)
倒産寸前の飲食店がやっていた
的外れな「集客施策」とは
「割引クーポン」は分かりやすいお得感があるため、飲食店の集客方法としてグルメサイト、アプリ、折り込みチラシ、会計時の手渡しなどで昔からよく使われています。
そのため、売り上げが下がっている店が顧客を増やそうとして割引クーポンを配っているのを見かけます。しかし、やり方を間違えると、逆に店の業績を悪化させてしまう危険性があります。
私が以前、立て直しを支援した倒産寸前のカフェも某グルメサイトで割引クーポンを配っていました。そのクーポンは【50円引き ※印刷して注文時にお見せください】という内容で、1種類だけでした。
担当者に話を聞いたところ、グルメサイトに毎月1万円の掲載料を1年以上支払っているにもかかわらず、割引クーポンの利用者は今まで0人だったといいます。