セブン×PayPay 最強連合の衝撃Photo by Nami Shitamoto

セブン&アイ・ホールディングスとPayPay、三井住友カードによる資本・業務提携により、ポイント経済圏の勢力図が変わろうとしている。実はPayPay率いるソフトバンクにとって、コンビニとの連携は長年の悲願だった。一方で、なぜこれまでセブンは“周回遅れ”になっていたのか。連載『流通・小売り フロントライン』の特集『セブン×PayPay 最強連合の衝撃』の本稿では、セブンが抱えていた「20年前の誤算」のほか、ポイ活の専門家が伝授する「最も損をしないポイント戦略」を解説する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

コンビニはポイント経済圏の“要”
おさえるべき運用術を解説!

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)とPayPay、三井住友カードによる資本・業務提携が、ポイント経済圏の勢力図を塗り替えようとしている。

 今回の提携で、セブン&アイHDの会員基盤「7iD」(登録者数約3900万人)と「PayPay ID」(登録者数7400万人超)が統合され、1億人を超える顧客基盤が誕生する。セブン-イレブンの店舗でPayPayポイントのほか、三井住友カードのVポイントが付与・利用できるようになる。

 多くのユーザーにとって、コンビニは単なる小売店ではなく日常生活の「インフラ」である。朝のコーヒー、昼のお弁当、夕食の総菜と、1日に1度かそれ以上足を運ぶ人も珍しくない。そのため、ポイントを「ためる・使う」というサイクルを定着させる絶好の装置となる。

 事業者から見れば、コンビニは顧客を自らの経済圏につなぎ留めながら、膨大な購買データを収集できる戦略の“要”。それ故に、これほどまでに巨大な提携に至ったのだ。

 実はコンビニ業界で最大手であるセブンは、これまでポイント経済圏の主導権争いにおいて“周回遅れ”を余儀なくされていた。

 セブン&アイには、19年に「7pay(セブンペイ)」で大規模な不正利用が発覚し、開始からわずか3カ月でサービス停止に至った“敗戦”の歴史がある。近年はこの一件を引き金にデジタル戦略で後れを取っていたが、歴史をひもとくと、実は20年前の時点で既に“誤算”が生じていたという。

 次ページでは、セブン&アイのデジタル戦略の遅れを招いた「20年前の判断」のほか、今回の提携劇の裏にあったソフトバンクの“悲願”をひもとく。さらに、ポイ活の専門家が店頭で起きる具体的な変化を予測するとともに、複雑化の一途をたどるポイント時代において消費者が選ぶべき「最も損をしないポイント運用術」を指南する。