米国では先月の就業者数が16万2000人の大幅増を記録した。失業率も低い。株式市場や人工知能(AI)は多くの人々を豊かにし、退職後に備えた貯蓄を押し上げている。しかし、各種調査は米国民の気分が依然としてさえないことを示している。こうした低調なムードは、主要な経済統計が示す米国経済の姿と一致していない。だからといって、人々が経済の実感について自分をだましているわけではないだろう。むしろ、広範な指標は米国民の負担するコストがコロナ禍以降にどれほど上昇したのか、その上昇にどれだけの人が追い付いていないのか捉え切れていないかもしれない。「人々は間違っていない」と、シカゴ大学の経済学者エリック・ハースト氏は言う。