新幹線の座席写真はイメージです Photo:PIXTA

老後資金は「いくら貯めるか」だけでなく、「いつ、どう受け取るか」も重要だ。退職金やiDeCo、個人年金などは、受け取り方によって税金のかかり方が異なり、同じ一時金でも受け取る時期によって税負担が変わることがある。定年直前に知っておきたい「課税」の仕組みと、損をしない老後資金の受け取り方について、詳しく解説する。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

リタイア直前の相談で
圧倒的に多いのが「受け取り方」

 リタイア準備の相談の中でも、「59歳の会社員・公務員」からの相談が圧倒的に多い。

 40~50代からは「老後資金はいくら必要か?」といった質問をよく受けるが、59歳になると「老後資金をいつどう、受け取るのがいいか」がメイン。知りたいことは「受け取り方」だ。

 最近は「DC(確定拠出年金)は一時金と年金、どちらが得?」、「iDeCo(個人型確定拠出年金)の受け取りで損しない方法」といった情報がYouTubeなどで数多く取り上げられている。DC、iDeCoの受け取り方法の解説は、ちょっとしたブームともいえるだろう。

 しかし、実際の相談現場では「iDeCoだけ」「DCだけ」で完結するケースはほとんどない。

 60歳を目前とする人は、さまざまな商品、制度を利用して複合的にお金を貯めてきたので、次のようなことを相談したくなる。

・退職金は一時金?それとも年金で受け取る?
・勤務先の企業年金は、何年で受け取るのがいい?
・DCやiDeCoは一時金?年金?
・個人年金保険は繰り下げるべき?それとも、一時金?
・65歳からの公的年金は繰り下げたほうがいい?

 これらを「いつ、どうやって受け取るか」「どれから取り崩していくのがいいか」を知りたいのだ。

 みなさんにお伝えしたいのは、老後資金の受け取りは、ひとつずつ「税金が安い方法」を選べばいいわけではないことだ。

 なぜなら、退職金、企業年金、DC、iDeCo、個人年金保険、公的年金など、受け取るお金の種類と受け取り方によって税金のかかり方が違うからだ。

 まずは、老後資金にどのように税金がかかるのかを知っておこう。